十一話は朏の孤独なクリスマスイブと、過去に甚大な被害をもたらしたM、スカイウォーカーの記憶。この何か人の力の及ばない巨大なものに、自分の所属する世界を破壊してもらいたいと思ってしまう衝動は、思春期特有のものじゃなかろうか。世界をぶち壊してくれよ!みたいな。いや、今でも時折そんな気分に駆られる事がある訳で。
そんな衝動が、元来Mから人々を守る仕事についている朏の胸に去来する。似た思いをどこか共有しあって慰める灰田がかっこいい。この二人付き合っちゃえ!とか思うんだが(笑)雰囲気いいんだけど、彼女いるんだよなコイツ(^^;;; この微妙な距離感むずがゆいねー そして気特対の皆さんのそれぞれのイブの過ごし方がまた、よかった。
余談だけど、この「ぶち壊してくれよ」をちょっびり掻き立ててうっとりさせてくれるのが、このMM9のED画面のような気がすんだよね。そんなEDはこのエピだけが青い。
第十二・十三話は、驚くほどの緊迫感で物語が展開した。第一話の卵と第三話・六話の謎の美少女が登場。今日にも孵化しようとする卵と、それに絡んで各所の思惑が交差、さらに共鳴するかのように出現する巨大なMと、畳みかけるようなシチュエーション。
とにかくこのエピ、部長が超絶かっこよかった。冷静な対処と的確な指示で、場数踏んでるなーってキャリアを感じさせる。オペレーターの三人も、それぞれ対処にキャリアと性格が出てていい感じだったね。あと、かっこいいと言えば、氷室かっこよかった♪いい男じゃないかー
卵を正規の方法では譲らない四元に、藤澤が彼女らしい無茶苦茶なやり方で取り戻す過程も面白い。この時の部長と四元とのやりとりも味わい深かった。気特対という集団の、Mの情報と深く関わりその存在を理解しようとする、彼等の姿勢そのものが窺えたのが非常に良かった。そしてそれはラストシーンにも繋がって行く訳だが。
外界に関わる事で姿を我々の目の前に現すM。背骨も内蔵もないその卵の中身を「我々の想像を凌駕する存在」として説明していて成程と思った。確かに巨大なMは生物学的には説明出来ないからね。それを超自然的な存在として位置づけているのが面白い。そして運び出された卵も、どんどんその姿を変える。それは運び出される事によって外界と接触したから、なのだろうか。
また湖から姿を現すフルネドラの姿が、なんともいいね。巨大さ、異様さ、美しさ、神々しさ。たまらないものがある。なんかドラゴンぽいけど、麒麟とかポケモンのアルセウスとかも彷彿とさせる。夕日の中での対峙は画面も非常に美しかった。だからこそ、あのどんでん返しのインパクトがものすごく強い。生まれたばかりの方の口がばかっと開いて噛み付く瞬間、そこに「親子の情愛」なんてものを投影していた、己の人としての価値観を逆転させられた気がした。これはいいラスト。
謎の美少女、あのタイムスリップのエピの時のあれは、彼女が作り出したのではなく警告をする側の立場だったんだね。あれを「借り」と表現してたからね。でもって彼女もまた、何か別の存在の前に立つラスト、ちょっと想像力をかき立てるな。
ドキドキの状態で第十三話に突入したけど、急に回想になってて、びっくりした(笑)急にまったりして感じてしまうから、普通の時系列で展開してあのボルテージと緊張感を維持して欲しかった気もするけど、それやると後日談である「蜂の巣を送り付けられる」というオチが蛇足になりすぎてしまうかもね。
そしてこのラスト三話、冬の色の画面が素晴らしかった。空気の冷たさが伝わってきたけど、一体何月に撮影したんだコレ(笑)
人としての基準とか、思惑とか、枠組みとか、そんなものを超えた存在であるMとS。彼等が自分のすぐ隣の空間に共存しているあのMM9の世界。そこに住む人々が普通すぎるほど、そこに突如現れる神秘を恐れつつも魅了される。
あー、すごく面白かったなあ。キャラも世界観も味わい深いし、たった十三話で終わらせるにはもったいない。また続編作ってくれないだろうか。
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