この場を借りて、改めて「仮面ライダーW」に関わった方々全てにお礼を申し上げたい。1年間楽しかったです。どうも有り難うございました。
今更だけど、ちょっと総括を書いてみたいなと思う。
一つのエピソードを、前後編の二話できっちりと描き、尚且つ大河的にもちゃんと最後まで走り抜けた「仮面ライダーW」。『平成ライダーはちゃんと完結しない』と言われ続けてきたが、今回はそういう意味でも完成度が高かったのはファンとして嬉しい。
とは言え、残念だった部分が全くない訳ではない。私は好物は最後にとっておく主義なので(笑)、先に不満点を少々書いておきたい。
まずなによりも一番残念に思うのが、主役である翔太郎の描写だ。もっと活躍しても良かったのではないかと思う。彼がいたから勝てた、彼がいたから救えた、というエピを、後半にもっと持ってきて欲しかった。
物語が進むにつれ、パートナーであるフィリップと途中参加のライダーである照井竜が、非常に濃くて面白いプロフィールの持ち主である分、ドラマの比重がそちらに傾いていた気がする。どうしても翔太郎のエピソードは彼等二人に比べて弱く感じてしまうのだ。立ち位置的に少々、エピソードの脇役になってしまっていた時も多い。
しかし翔太郎と言うのは、狂言回しではない。むしろこの物語を通しての主役は、やはり翔太郎なのだとラスト三話を見たならハッキリと言えるだろう。物語を影で操っていた謎の女・シュラウドにとって、邪魔者でしかなかった翔太郎が、最後の切り札として存在したこと。データ人間だったフィリップに人間らしい笑顔と優しさを与えてくれたのも翔太郎だったと言うこと。仮面ライダーWは二人で一つの存在であり、どちらが欠けてもヒーローとして完成しないのだ。
その優しさ故に判断ミスをするが、だから誰かの心を救う事が出来る男。そんな翔太郎の強さとヒーローとしての可能性を、もっと物語の中で描けていたら、より物語に説得力が増したのではないかと思う。
そしてもう一つは、やはり園崎家についてだ。
恐らく園崎琉兵衛は井戸に落ちた息子を助ける過程で、なんらかの地球の意識とアクセスしたのではないか…と思われる。彼の野望の動機がなんであったのかはっきりしないので、途中の若菜の豹変についても今一つ伝わらない。少なくとも琉兵衛も若菜も何者かに洗脳されたのではなく、自由意思で行動していたのではないか、とは思うから特にそう感じるのかもしれない。
物語も後半に入って、ある科学者が園崎家の援助によって自由に研究が出来る事に魅せられ、家族を捨ててしまったというエピソードがあった。園崎家は「地球に選ばれた家族」だったのだろうが、そこから闇に堕ちてしまった過程は、何となくこの科学者のエピで匂わせているような気がした。琉兵衛も地球の記憶にアクセスすると言うとてつもない研究の前に、家族への愛が変質してしまったのではないかと。その辺は割と納得出来たんだけどね。
また、復讐の鬼となって陰でライダーを操っていたシュラウドが、どのようにしてその肉体を保っていたのかも明かして欲しかった。なにやら包帯を巻いて首あたりにメモリをさしていたようなのだけど… その辺の説明がなく、単に九死に一生を得ただけにも見えるので、最終回で命を落とすシーンが唐突に感じられてしまう。
園崎家という存在が、この「仮面ライダーW」の中で非常に大きく面白い存在であるがゆえに、その根源的な「なぜ」が後1歩踏み込めていたらなあと、個人的に少々残念かなと思う。
本当はもっとスッキリまとめて賛美モードに移りたかったのだけど、そこまで書いてると長くなるので、とりあえずこの辺で。文句ばっかり言ってるみたいになっちゃって申し訳ない。
でも、1年間本当に楽しんだんだよ!
仮面ライダー W 変身ベルトのみ(ガイヤメモリなし)


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フィリップとの別れでドライバを閉じるシーン、良かったよね。