希望の光、コスモカプセル。宇宙の根元的力と人を繋ぐ、この神秘の輝きが失われ、闇に覆われた未来。「このままではいけない」という意志は、シャークが先だったのか、それとも宇宙が先だったのか…
「このままではいけない」という気づき。「今のままでは、待っているのは破滅しかない」という絶望感。それこそが人を変え、未来を変える原動力である。己と現実に絶望した時、果たして人はそこに屈するのか。それとも未来のために戦いを挑むのか。
シャークは後者を選んだ。宗二郎が生きている優しい時間を守るため。レミーが生きるであろう未来を、明るく素晴らしいものにするために。彼の存在する時間は基本的に「未来」なので、それをすることで自らは消えるかも知れないが、真に絶望した人間は全身全霊で挑むことが出来るのだろう。
結果、シャークの意志は宇宙の意志を共鳴させ、戦士が集い、過去へとその戦いの場を移す。
宗二郎からナックルクロスを受け取ったタクトは、セイザーXに加わり共に戦う中で、自分自身も壁にぶつかりつつ乗り越え、大きな成長を遂げる。アド、ケイン、そしてレミー達副官の面々の不和と協力。何かに絶望しそれを乗り越えるたびに彼等は何かを掴んだ。彼等の内には、明確な信念が揺るぎなく輝くので、絶望はあっても迷いはないのだ。
彼等の輝きが今を変えていく。元来は諸悪の根元であったデスカル三将軍までもが、セイザーXが持つ光に照らされたが如く、それぞれの絶望に気づき、明るい未来への道を歩み始める。
一つの波紋が倍音となり、倍音が更に共鳴を呼ぶ。一人の男の絶望感と決意が、大きな輪となって広がっていく。
そしてコスモカプセルが選んだのは若き十二人の戦士達だった。
これからバラバラの時間と場所で生きていく、彼等一人一人がコスモカプセルを継承していくのだ。
彼等は伝えていくだろう。コスモカプセルと共に、自分たちの戦いのことを。そこで学んだことを。正義の心を。ヒーロースピリッツとはなんなのかを。
確かに戦いは終わった。しかし、宇宙から邪悪な意志がなくなったわけではない。いつかまた未来が闇で覆われてしまう日が来るかも知れない。
そうならないために必要なことは何か。明るい未来のためにしなくてはならないことはなんなのか。それは、正義と調和の心、ヒーロースピリッツを継承していくことではないだろうか。シャークがしたように。宗二郎がタクトにしたように。
継承されていくことで、ヒーロースピリッツは共鳴し増幅する。人の数だけその形は様々だろうが、その複雑な進化こそが宇宙の絶対的な物理法則でもある。それこそコスモカプセルが12個あることの理由だろう。
「超星艦隊セイザーX」は子供たちに向けての強いメッセージを持った作品だ。そして最後に「すてきな未来をみんなで作ろう!」という言葉で締められる。
「みんなで」作ろうと。私達にも呼びかけている。
21世紀になって尚、人類は争いや犯罪が絶えない。どんなに平和や非暴力を訴えても、わずかでも邪悪な意志に囚われた者がいれば戦いは繰り返されてしまう。人間とは悲しい程に愚かしく、どうしようもなく低次元だ。
しかし、このままではいけない。誰もが気付いているはずだ。
ならば私達に出来る一番確実なことは、友人や未来を生きる子供たちに、ヒーロースピリッツを伝えることではないだろうか。人間の持ちうる最も高度な魂。人類に希望の光があるとすれば、それではないかと思う。
「超星艦隊セイザーX」を見て、少しでも感動したのなら、あなたも「コスモカプセルの戦士」の一人になったと言うことだ。
それは胸の内に大切に持ち続け、未来へと伝えていくべき、輝ける魂だ。
コスモカプセルを継承した12人の戦士達がその魂を伝え、いつか宇宙全体がその光で満ちる日が来るかもしれない。
その時に彼等の子孫は、12個のコスモカプセルを手に、再会するのかもしれない。
ラストシーン、自分の居場所を見つけたレミーと、大きく成長し未来へと踏み出すタクトがハイタッチする。
絶望から希望へ。明るい未来へと魂は継承されていく。
時空を超えた戦いは、新たなる旅へと向かう。
すてきな未来を、みんなで、作ろう。
人は誰もがつながっているのだから。
−了−
長々とお付き合い下さり有難う御座いました。
しかしこういう考察って、後から読み返すと本当に恥ずかしいね。
長々とお付き合い下さり有難う御座いました。
しかしこういう考察って、後から読み返すと本当に恥ずかしいね。
超星艦隊セイザーX/ジャンプだ!僕らのセイザーX!!


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EDのあとの「今日の一言」もよかったんだよなー