2010年04月21日

トミカヒーロー・レスキューファイアー 総括

 先月、「トミカヒーロー・レスキューファイアー」が完結した。一年間楽しんだ番組であり、前作の「レスキューフォース」も合わせると、この二年間、毎週土曜日はこの物語に胸を熱くさせてもらった。
 この場を借りて作品に携わったかたがたに改めてお礼を。どうもありがとうございました!




 さて、個人的に色々と忙しくて今更になってしまったのだけど、改めて「レスキューファイアー」の総括を書きたいと思う。
 最初に言っておくと、私は「レスキューファイアー」をとても楽しんで見た。何も考えずにヒーローとメカのカッコ良さに見とれ、その奥のヒューマニティを味わう…ちゃんとそんな楽しさがあった作品だったと感じている。

 では全て手放しで良かったかと言うと、私もさすがにいい年こいた大きなお友達なので(笑)思うところはあるのだ。全くそれに触れないのも申し訳ないので、先ずそこから指摘したい。
 一番「惜しかったなあ」と思うのは、この作品の基本設定である「ドラゴンチャージ」という概念の説明不足。そして次に、主人公・炎タツヤがレスキュー1として選ばれた理由が、ハッキリと物語で描かれなかった事。個人的にその二点だ。

 前作「レスキューフォース」と今作の最大の違いは、戦いの描写に関わる神秘的存在の有無にある気がする。
 レスキューフォースは、人工知能とコミュニケーションを取る描写はあったはものの、テクノロジーを人の努力で作り上げ、レスキュー魂でそのポテンシャルを引き上げていた。一方「レスキューファイアー」は、確かにテクノロジーもそれを支える人々も健在なのだが、そこに神話や伝説の世界が介入してくる。青き珠とか、伝説の勇者とエクスバッシャーなどがそうだ。
 彼等が必殺技を繰り出す時に出てくる龍のエフェクト。ぱっと見、「レスキューフォース」よりも「リュウケンドー」を思い出す。その世界観もどちらかと言うと、リュウケンの雰囲気を半分ミックスしていたように感じた。それもそのはずで、物語が進むにつれ、実はジャカエンとの戦いは古代の石盤に記されていたことが明らかになってくる。最初から神話的モチーフが物語の骨格に組み込まれていた訳だ。
 だからある意味、そういう神秘的な力がテクノロジーに介入してくるのは不思議ではないのだが、前作の世界観を引き継いでいるだけに、少々見る側は戸惑った。そのズレをつなぐのが元来、曖昧模糊としてはいるが確かに存在している【レスキュー魂】なるものを、はっきりとエネルギーソースに使う、ドラゴンチャージだったのではないかと思う。
 主人公のタツヤにしても、こんなに分かり易くレスキュー魂の強さを見せてくれる設定があるのだから、序盤でもっと活かせば良かったのにと思う。火消しの家系に生まれたユウマや、ミスパーフェクトの異名を持つリツカが、頑張って消せなかった超火災を、タツヤの持つレスキュー魂のポテンシャルが一気に鎮火して見せる。レスキュー1として必要な、誰よりも熱い魂を持っているのだと、それを表現して欲しかった。それがあれば、タツヤは伝説の勇者を継承する者だった、という物語の流れが無理なく受け入れられやすかったろう。
 ただ、タツヤに関しては、私は個人的にどんどんよくなっていったなあと思っているので、こんな感想はそれこそ今更かな、と思う。逆に言うと他のキャラクターが序盤から立っていたので、残念に思ってしまったと言うのもあるんだけどね。



 しかし個人的には、この「レスキューファイアー」のヒーロー作品としての味わいも、その「神話モチーフ」の中にあったと言っていいんじゃないかと思っている。
 終盤になって明かされてくるのだが、火の化身のような存在であるジャカエンは、自分たちを誤った方向に使って、地球を苦しめる人類に復讐をしていたらしい。これがなかなか興味深い。"火" というものは人類に知恵と破壊性とをもたらしている。知恵は発達してより大きな力…例えば大型ビークルを合体させて、より巨大な力を生み出すことが出来るような…そんなテクノロジーとして開花している。と、同時にその破壊力に地球は悲鳴を上げる。そのジレンマがそのまま戦いの構図になっていたのだという、かなり壮大な物語だ。
 人は偉大な火の力を正しく使いこなせるのか。人は地球にとって良き存在となれるのか。「力は戦う為ではない!皆を守る為に」という、何度も何度も繰り返し「レスキューフォース&レスキューファイアー」で描かれたテーマが、この問いの中で大きくクローズアップされ、輝いてくる。熱きレスキュー魂が、ジャカエンの復讐の炎を爆鎮し勝利する事で、人がこれから進むべき道が示されるのだ。

 レスキューファイアーの面々は皆、個性的で楽しかった。私的にはキャラ立てそのものは、レスキューフォースよりも明確だったのではないかと思っている。キャスティングもとてもよく、人物像が分かり易く伝わってきたと思う。
 また、今作は現実にいるレスキューに関わる人々… 消防隊やハイパーレスキュー隊、果てはタイアップしているJAFまでが、ヒーローと連携して救助に当たっている描写が多く見られたのも嬉しい。
 番組の目玉であるCGも毎週素晴らしく、男の子の夢があふれるメカ描写は見事。特に背景・メカ・人物がワンカットの中で収められている遠景は、画面構成も色合いも非常によかった。現実の景色との合成も、ことさら名古屋三作などは驚くほどに自然にマッチしていた。燃え盛る名古屋城でのジョウカエンとファイアー1Xとの一騎打ちは白眉。また最後の戦いが、ジャカエンは西洋風の赤いドラゴンに、レスキューファイアーが東洋風の青き龍に、色も姿も対照的に描かれていたのも象徴的だったし、最終決戦に相応しい美しさだった。

 そしてなによりも好ましいなと思うのは、最後まで「全ての命を救いたい」という思いを動機にしたヒーロー像が貫かれた事だ。「火災」という限定されたシチュエーションの中で、消火・救助・戦闘をこなす。そんなレスキューファイアーの活躍は、物語を作る上で、ある種の足かせになったのではないかと思う。それでも毎回工夫して、「命を救うヒーロー」のストーリーを紡いだ。
 「トミカヒーロー・レスキューフォース」「同・レスキューファイアー」これらの作品に、幼い頃に出会えた子供たちは幸せだ。夢がいっぱいのCGと、強くて優しいヒーローに出会えたのだから。



 彼等にもう会えないのかなあ、と思うと、寂しい。
 いつかまた、人の命を救うヒーローの物語に出会えますように…と、心から祈りたい。
 ありがとう、レスキューファイアー!







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EDテーマと画面好きだったなあ。前期も後期も。

 
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