終盤に来ての敵ライバルキャラと主人公の問答は、物語において非常に重要だと、私は思う。今回のジョウカエンとファイヤー1のやり取りがそれなんだけど、エピ全体もまとまりが良かったし、意外なほどの世界観の奥深さが垣間見えたのが良かった。
「人間は、我ら炎を戦いの道具にしているじゃないか!」「かくも醜い生き物に火を与えたのが間違いだったのだ!」このジョウカエンの嘆きとも言える叫びには、ちょっとぐっと来てしまった。ジャカエンという存在は、古代の遺跡に掘り込まれている不思議な連中なんだけど、神話的な「火の起源」にまつわる存在だっていうのがすごいね。
そこから思い返すと、意外なほどこの「レスキューファイヤー」という物語が奥深い世界観の上に成り立っていた事に気付かされる。戦いに使われる「火」の起源が人類を滅ぼしにかかり、レスキューファイヤーは「水」の竜で人々を守る。なるほどなあ…
とにかくジョウカエンとタツヤの一騎打ちに物語は強くフォーカスしているので、他のメンバーはほぼ目立った活躍はないのだけど、それでもポイントは押さえていたと思う。
ガイアレオンがタツヤを間一髪で守り、その影響で全身ずぶ濡れのレスキューファイヤーの面々のシーン、画が劇的。タツヤの頬を張るリツカ、叱咤するユウマ。この二人の位置取りは、タツヤへの近さを感じさせる。でもってキュースケ、大活躍!三幹部とキュースケのやり取りはコミカルで、今回の重い流れの中で楽しさをくれたしね。あと、R2D2みたいにコンピューターにアクセスしていたなー 外の仲間達にモールス信号で連絡するのもナイスだった。それに気付くのが、知性派気配り系のジュンなのも納得。
基地に潜入から武器奪還、装着してアクションの流れは燃えだった。あの食堂での闘いを、尺が許されるならもっと観ていたいなーと思ったよ。
そしてメインであるジョウカエンとの一騎打ち。「仲間とはなんだ?」という問いに「仲間とは信じあう心、絆!支え合い励ましあい仲間がいるから俺達はがんばっていける」と答えるタツヤ。個人的にちょっと残念なのが、問答そのものは割と普通な言葉だなーと感じてしまった点。もうちょっと言葉に工夫して欲しかった。「結局何百年何千年生き続けようが、俺には信頼できる仲間はいない」というジョウカエンの言葉の重みに、対抗しうるそれが欲しかった。しかし話しながら激しく戦う二人のアクションは素晴らしく、炎や火花のエフェクトの入れ方もすごい!
ここから「悲」の青き珠で巨大化するジョウカエン。そして巨大戦に突入だけど、ここの画面がまたすごかった。「戦う事なんか楽しむな!」「お前はなぜ戦う?」「大切な仲間を守るためだ!」この辺のやり取りは、さっきとは逆に単純な応酬だからよかった。戦う巨人の画面の手前に、落ちてきてザッと刺さるキングエクスバッシャー。このカットは秀逸!そこから剣が「皆の大切な命を守るんだ!」に反応して戻ってくるところがいいよね。設定をうまく使って燃えを作り出している。そこからフィニッシュするところも隙がなかった。
とにかくアクション→巨大戦→竜王X斬りまでの流れが途切れる事なく、どのカットもクオリティが高い。やはり特撮は、こういう迫力が大事だなあとしみじみと思う。ここが盛り上がるから、この後の平和とジョウカエンの悲劇が胸に迫るんだ。
とどめを刺せと迫るジョウカエンに「お前にもレスキュー魂があった」と言うタツヤ。仮面が変わり、さっていくジョウカエン。子供たちのよかったの?という問いに「俺はジョウカエンを信じる」と笑顔で言い切るタツヤ。夕暮れ色の画面が美しい。
そしてやはり古代の裏切りはドンカエンの仕業だった。なんというか、私もいい年してるのでいい加減色々と分かっているのだが、やはり今回のこのジョウカエンの最期にはついつい涙してしまう。でも彼は、最後に再び信じられる仲間が出来たのだろう。「ファイヤーワン、お前と一緒に争いのない世界をつくりたかった…」青き珠が珠が悲から喜に変わった時に。
ドンカエンがパワーアップして、ドラゴンの姿に。いよいよクライマックスだ!
DXガイアレオン』


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