2010年01月31日

侍戦隊シンケンジャー 第四十八幕「最後大決戦(さいごのだいけっせん)」

 決戦前夜エピ。大切な者の命と引き替えに無敵の体を得たドウコク。傷ついた姫との対話の末に、「真の」殿としての資格を得た丈瑠。分裂していた名と信が、再び一つとなり決戦に挑む!

 太夫の最期。短いシーンの中に、なんとも深い妙があった。久しぶりに弾いた、三味線の音色。あの時、ドウコクに三味線を直して貰ったときから、太夫は二度と執着と情念の全てを撥に込めることはないのに気付いていたのだろう。「わちきは初めて上手く弾けた」このセリフは沁みる。
 彼等は外道故に愛という概念はないだろう。だから以前、「ドウコクの太夫への執着」とシタリは言った。愛である時点で、それは人のものだからだ。個人的な願望もあってのことなのだが…太夫は愛に気付いてしまったのではないだろうかと思う。いや、そう思いたい。たとえ「執着」という言葉で表現されていようと、自分を想ってくれるドウコクの存在が、彼女自身のはぐれ外道としての未練を断ち切ったのではないかと。
 ドウコクはそんな太夫に、「欲しかったテメェじゃねぇな…」「だったら…終わるか」と。このやりとりは本当にいいね。しみじみといい。彼女の体をぐっと抱きしめるように、息の根を止めるドウコク。そして残った打ち掛け。この別れの美しさ。江戸の吉原文化的な、大人の粋の世界。この良さは…子供には分かるまい!大人で良かった!大人で真剣にシンケンジャー見てて良かった!!
 三途の川に流したとき、坊主の姿を似せたシタリが、「外道衆の私たちに念仏もないだろうし」と、太夫を弔う言葉がないのを呟くのも、悲劇の女性の死に対する余韻を感じる。

 光と影の存在である、姫と丈瑠の対話。その立場は真逆でありながら、全く同質の孤独を抱えていることに改めて気付かされる。
 封印の文字を使うとき、「この日のためにこそ…父上!」と、思いを込める姫。丈瑠が自分を殿と偽っていたのと同じように、姫も又己の素性を偽らなくてはならなかった。「自分を偽れば、人は独りになるしかない」彼女も又そんな境遇の中で、孤独と戦いながら「自分の出来ることを」と、血のにじむ努力を重ねて封印の文字を会得していたのだ。
 初めて二人で言葉を交わす、この短い会話の中に、同じ宿命を担った者同士の共感を感じた。と同時に、そう言う孤独を抱えるからこそ「それでも一緒にいてくれる者がいます」という言葉に重みがあるのだろう。丈瑠は勿論、姫自身もここ数話で共に見事なコンビネーションで家臣+寿司屋(笑)と戦い、彼等も又、嘘偽りない態度で応えているわけで… また、悪役を一手に引き受けていた丹波に対して、さりげなく姫がフォローを入れていたのも嬉しかった。ふすまで聞き耳立ててるシーンもかわいかったし(笑)
 そしてまさかの養子縁組!ちょっとびっくりしたけど、その辺の「えええええ」な部分を、ちょっとコミカルな丹波とのやりとりでチャラにしたから、よし。元来、志葉家の「血筋」というか、DNA的な火のモヂカラが必要って事なんだろうけど、姫が結婚して子供が産まれたら次の正式後継者にすればいいだけのことだからね(笑)…とは言え、この解決法は賛否両論かもな。私はありと思うけどね。最終回の後日談的なシーンで、なんか描かれるかな。
 そして改めて資格を得て、殿の座に座る丈瑠。偽りであった名が、真のそれとなった。殿の御前に控える家臣達。失墜からの帰還は、更なる強さをヒーローに与える。「策らならある。力尽くだ」あの丈瑠の、この言葉はかっこいいな。

 ドウコク復活に、姫を守る総力戦!スーパーシンケンブルーとハイパーシンケングリーンが意外だった。それにしてもドウコクが圧倒的に強い。
 ついに封印の文字が!「母さん、これなんて読むの?」「…読めない」こんな会話が全国のご家庭で交わされたことでしょう(笑)漢和辞典で調べたけど、載ってなかったなあ。でも説得力あった。如何にも悪を火の力で封印する!って感じの文字だった。これだけの画数に、モヂカラを注ぎ込むのだから、そりゃあ大変な力だろうと思わせたね。
 結局それは失敗に終わったのだけど、その理由が「半分人間である太夫を取り込んだから」っていうのは上手いね!そして姫の無念を「お姫様辛いやろな」と表現したことはのセリフは端的と思った。

 三途の川が溢れて、あの舟がビルの谷間から現れる。
 「殿の御出陣!」からの陣太鼓。外道衆の大群を前に、白装束で並び、一筆奏上!そして名乗り。いつもとポーズが微妙に違う!決戦を前に荒ぶる雰囲気がある。この一連の出陣の流れに、正直涙が出た。ついに決戦の時だ!

 蛇足…映画の公開はいいんだけど、さすがに今日のEDはいつものにして欲しかったよー(^^;;;








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正直、最初は無茶なデザインだなーと思ったものです。

 
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