2009年07月03日

天元突破グレンラガン考・11 結

 絶望の宇宙に魂のドリルで穴を空け、希望の未来を切り開く。
 世界を形作っていたパラダイムは大きく転換し、正反対のものへ姿を変える。
 目に見える無数の光。かつてそれらは全てが敵だったのだ。



 「天元突破グレンラガン」は、その想像を絶する闘いの果てに、新しい未来を切り開いた。高度に進化した螺旋生命体であったアンチスパイラルが、その高い知性と深い洞察力で築き上げてしまった分厚い絶望の壁を打ち崩した。
 スパイラルメネシス。それはまた、ひとつの未来の形であったろう。しかしそれに否と言い徹底的に排除しようとしたアンチスパイラルと、それを更に二重否定した形で別の未来へと分岐させたシモンと大グレン団。長く苦しい弾圧の時代ではあったが、敵であったアンチスパイラルの自己否定があったからこそ、螺旋生命は明るい未来を見出すことが出来たのかも知れない。


 単純に言うならば。「グレンラガン」は否定と絶望のシャドウは、それがどんなに巨大に見えても、自らの意志と熱意でいくらでも変革出来る…そんなことを謳った物語だったのかも知れない。熱意とは心の衝動であり、自己実現への道だろう。
 種まき人カミナは常に上を指さしていた。螺旋の男シモンは屈することなく前に進もうとした。彼等の姿を通じて、私達にも蒔かれた種があったかもしれない。「お前が選んだ道が俺の居る場所だ!自分を信じろ!!」と、私達が植え付けられた【種】が叫んでいるのかもしれない。




 ……とまあ、普段の私ならこんな風にまとめたろう。
 でもなんか、違うんだな。そんな風に思うのだ。

 足りない。
 この解釈では全然、なにかが足りない。







 なんと言えばいいのだろう。それは一言で言えば

 【気持ちよさ】

 そう。「天元突破グレンラガン」は、徹底的に【気持ちいい作品】だったと思うのだ。








 第一部8話、第二部7話、第三部6話、第四部5話。少しずつテンポアップし、その度にテンションの上がる構成。それぞれの最終決戦でくりひろげられる怒濤のような戦闘と劇的な勝利。登場人物の切るタンカの七五調の心地よさ。絶望と抑圧の先にあふれる光…
 それらすべてが「突き抜けていく快感」をもたらしてくれる。

 誰が言ったのだろう、「ドリルは男のロマンである」と。
 掘り進む!突き抜ける!それこそがドリルのドリルたる所以だろう。ドリルは「道のない壁や地面に道を造り出す」ことが最大の使命であり、出来るならその切り開いた道が、未知の空間に続いて欲しい。あ、抜けた…そんな瞬間が訪れたときに身を貫く開放感。
 グレンラガンの【気持ちよさ】には、そんな感覚がある。




 …私は「天元突破グレンラガン」を見ていて、何度か涙を流した。胸の奥から湧き上がる熱い感動。なにかが揺さぶられ突き上げて目から溢れるような感じ。こんなWebの片隅で、ご縁のある奇特な方達以外は誰が読むとも知れないというのに、長々と独りよがりの考察を書き続ける(笑)というこの熱意の源はなんなんだろう?
 それは「グレンラガン」を見ながら、『最高に気持ちいいぜ!』と感じているなにかが私の胸の奥にあったからに相違ない、と思う。じゃあそれはなんだったんだ、と思ったとき、私の脳裏に浮かんだ言葉があった。




 それが【魂】なんじゃないのか?




 魂ってどこにあるの?と聞いたとき、大抵の人間は胸を指さすのではないだろうか。寝ているときも覚めているときも、生きている限り止むことのない鼓動。確かにそこは、魂の座として相応しい場所ではあるだろう。


しかし魂って、そんな小さな所に収まってるものなの?
自分の魂は、こんな枠を破って広がりたいんじゃないのか?




 …とは言っても、それは死とイコールではない。もしも肉体を出ることが魂にとって本望だというのなら、とっとと死んでしまえばいいと言うことになる。しかし「グレンラガン」の物語では自殺は完全に否定され、同時に一人の人間の「命」を生から死までトータルに肯定している。
 魂を縛る枠とは、肉体ではなく自意識の【魂】そのものへのパラダイムなのだろう。
 なんとなく、この胸の中に収まっているような気がしている魂。思考とか感情とか、そんなものと一緒くたにして自分の中の一部分のように思っている魂。むしろあるんだかないんだかわからないその存在。それが実は時間や宇宙にも繋がっている光なのだとしたら…
 グレンラガンを見て感じる「気持ちよさ」に、私はそんな幻想を見る。そんな枠をぶち壊しパラダイムを転換することが、最高に「気持ちいいこと」に思えてくる。





 「天元突破グレンラガン」は、【魂】を抜きにして語れない物語だ。逆に言えば、【魂】そのものの物語なのかも知れない。

 知性が作りだしてしまう巨大で絶対的な絶望も。物理法則による曖昧で不確定な現実も。限りなく分岐し混乱していく自我意識も。全てを凌駕して光輝いていたものはなんだったのか。

 「天元突破グレンラガン」を見て、深く感動した友よ。
 そこに描かれていた戦いと勝利に共鳴していたのは、あなたのなんだったのか。








魂は熱くなる。魂は上を目指す。魂は光を求める。魂は受け継がれる。魂は連なる。
魂は宇宙へと繋がっていく。
魂は過去も未来も貫く大きな螺旋となる。






 「天元突破グレンラガン」。
 螺旋となって突き抜ける、それは魂のエクスタシー。






                              
天元突破グレンラガン考・了



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いやー、長かった!難しかった!挫折しかけた!(笑)
ほんとこんな戯言にお付き合い下さった皆さん、ありがとうございます〜
て、マジでさー、書くこと本当はなかったんだよね。ないのよ。もう物語で完結しちゃってるじゃん?これ以上掘り下げるコトなんてないんだってば。
でもさー、なんか感動で語りたくなってくるわけよ。ナンセンスと分かっているのにしたくなるワケよ。で、その辺からこういう結論になってきた訳なんですけどね。
……はっきり言って、ものすごくハズしている気もするよ(^^;;;










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