2009年06月11日

天元突破グレンラガン考・8 月

 孤独の中に自分を見つめ直し、解体した自己を再構築したシモン。ようやく己自身の魂と向き合うことが出来た彼は、ようやくニアの言葉を受け容れることが出来た。
 シモンはニアの庇護と愛情によって立ち直ったのではない。
 「俺は俺だ」の境地を自分自身の力で掴んで、やっと彼女を真っ直ぐ見つめることが出来たのだ。
 囚われた自分と仲間達の突破口を開く。シモンは穴掘りを通した自己再構築のプロセスの途中で見つけた、緑色の光る石をニアに送る。
 そして恐らくその石は、後年あの指輪になったのだろう。

 シモンとニアは、お互いに与えあい支え合う、自立したカップルだった。



 テッペリン攻略から7年後、100万人の人工を突破した人類に、アンチスパイラルによる殲滅システムが動き出す。
 突如として現れ、街を襲うムガン。地上に落下してくるという月。そして人々に絶対的絶望をつきつけるメッセンジャー・ニア。

 彼女の遺伝子の中には、アンチスパイラルの仮想生命因子がくみこまれていたのだという。ニアの父親は螺旋王であることからも、母系遺伝子の中にその因子が潜んでいたのは間違いないだろう。1000年にわたる遠大な仕掛けである。

 アンチスパイラルはニアが「螺旋の戦士の子として生まれ、螺旋の戦士に愛された」ことは単なる偶然と言った。私はそれが偶然でない理由を色々と考え理由づけてみたけれど、あまり意味がないので省略する。




 女系遺伝子に仕掛けられた絶望のメッセージ、落下してくる月、というのは非常に面白いモチーフだと思う。
 何を隠そう私は、一時期、真剣に西洋占星学を学んでいたことがある。占星学で言えば、男性は太陽であり、太陽とは神化と魂の在処。女性は月であり、月とは肉体と感情、そして過去へと引き戻す力だ。私が以前、占星学で師匠と仰いでいた人が、「月は地球を物質次元に封印している」とおっしゃっていたのを思い出す。
 グレンラガンのスタッフは、こんな神秘世界の戯言を知っていてこの設定を繰り出してきたのか、単なる偶然なのか。私はむしろ後者である方が面白いな、と思ってしまうのだが。
 にしても、恋人同士であった頃は「あたたかくて気持ちよかった」彼女が、婚約した途端に本能のままに上昇することを否定する絶望のメッセンジャーとなる、なんて、ちょっとリアルで笑える。それも女性の持つ「安定を求める」という本能のすることなので、仕方ない。
 (蛇足ではあるが誰からも中立の立場で、皆に深い洞察と正しい理解をもって接したリーロンが、オカマであったというのは非常に面白いと思う。)



 絶対に相容れない存在であるはずのシモンとニア。
 しかし、その「絶対」は崩される。



 メッセンジャーは語る。絶対的絶望のために、と。
 だが、ロージェノムが言ったように、この「グレンラガン」の宇宙を…そして私達が住んでいるこの宇宙も…支配しているのは「曖昧さ」なのだ。知性を持った意識の壁が如何に高く厚くそびえようとも、それを上回る【力】を持って風穴を開ければ、それは壁ではなくなる。絶望ではなくなる。
 そしてシモンという男は、その能力に特化した人間だ。
 絶対的絶望を口にするメッセンジャーにシモンは言う。俺には人を試しているように思えたと。お前の心は助けを求めていると。与えられた現実への、「絶望」を知らぬ解釈。それを小手先の知性ではなく、もっと胸の奥から突き上げてくる叫びの如き力でやってのける。それは決して、後追いで誤魔化したポジティブシンキングではない。

 シモンの魂には、カミナの蒔いた種が開花していた。元来持っている突破力に、闇の向こうにある光を信じ抜く意識。



 絶望・限界を視界に入れぬ強い心。
 その力を、輝きを、己の魂として見いだせるなら。

 それは【絶対】すらも打ち崩す。




 新作の映画【螺巌編】では、「月の下りで最後に立ちふさがるニアこそが、最大のアンチスパイラルの罠」と言及することで、シモンの力の覚醒と直感的な洞察を分かりやすく描写していた。これは非常に良かったと思う。



 ニアの話が出たので、ヨーコのことを少々書き連ねておきたい。


 カミナはありとあらゆる人々の意識をシフトアップし、上昇力を煽っていった。それは完全に男性原理に訴える力だ。
 その中にあってヨーコは、ただ一人、女性原理を生かした立場でカミナの蒔いた種を受け止め開花させたキャラだと思う。決戦前夜、カミナと二人っきりになったときに彼が漏らした言葉を、胸の奥にしっかりと根付かせたのだろう。ぶち壊して前進するのではなく、守り育む。彼女はスナイパーとして戦いもしたが、ライフワークとして選んだのは教師という仕事だった。
 最終回、最終決戦の場でもヨーコの心にはカミナがいた。

 ドリルというモチーフを前面に出したアニメにおいて、ナイスバディと露出の烈しいコスチュームという、「如何にも」な出で立ちで登場したヨーコ。おっぱいは揺れるしアングル際どいし、かなり色っぽいサービスをしてくれたキャラだったが、最後までカミナ以外の男の影は一切描写されなかった。
 セックスシンボルと思いきや、物語の上ではずっと処女性を保っていたというのは、彼女の精神的な潔癖さとカミナへの思いの純粋さを示していたように思う。





まだつづくなー







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重要なのは萌えか、露出か(笑)

 
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