2009年05月15日

天元突破グレンラガン考・4 壁

 魂の兄弟、カミナとシモン。
 シモンがコアドリルを掘り出したその日から、シモンはカミナをアニキと呼ぶようになった。
 カミナの言葉が示す光と、シモンの突破力が未来を変えていく。
 異なる要素が二重螺旋を作り、運命を巻き込んで上昇していく。





 物語は地上に移り、更に多くの人がカミナの言葉に惹かれて集まるようになる。人類の脅威であるガンメンと戦う仲間達。カミナの口先だけで存在していた謎の団体「グレン団」は、大きくなっていく。


 第一部は基本的にカミナが中心となって物語を引っ張っている。その牽引力、影響力は大きい。その陰でかなり目立たないシモンではあるが、カミナは常にシモンの力を信じている。シモンはと言うと、アニキに言われるままに戦い続ける。序盤は性格的に戦いに向かず、ヘタレたりもしたのだが、結局シモンはカミナの言うとおり「やってのけて」いくのだ。
 後にシモンはカミナのことを「アニキは憎しみで戦っていたのではない気がする」と語った。それは画面からもこちらに伝わってくる。カミナのことを本質的に理解しているシモンが、後にこのセリフを言うことで、私達は改めてカミナとグレン団の戦いがなんなのか、というのを考えさせてくれる。

 じゃあ何のための戦いなのよ?と言われると、恐らくカミナ自身は「成り行きまかせ」と言ったところだったんじゃないかと思う。目の前に壁があるから光を求めて突破する。敵が来たからぶっつぶす。いっそこちらから本拠地に乗り込む。ひたすら純粋な上昇志向なのだろう。
 カミナにとって忌むべきは、目の前に立ちふさがり光を遮る存在すべてだ。それは迫り来るガンメンだろうと、生まれ故郷の村長であろうと、余り大差ない。
 ひたすら目の前の壁を突破したいと願う。そしてシモンはその期待にちゃんと応えてやるのだ。



 立ちふさがる壁。限界。
 これはグレンラガンの中で繰り返し描かれる。




 5話。旅先でアダイという村を訪れる。ロシウの村のエピだ。
 私は最初に見たとき、司祭とカミナのやりとりは「どう考えてもカミナがイタイ」としか思えなかった。あの資源の乏しい村にはそれなりの事情があり、そこで傍若無人にふるまうカミナはどうかと思ったし、司祭のしていることを「俺にはさっぱり分からねえ」と切り捨てるのも知性と想像力がなさすぎると感じてしまった。しかしある時、そうではないと思うようになった。
 恐らく、カミナには「……だから不可能」という思考回路が、一切欠落しているのだ。「不可能」とか「限界」とか、そういう言葉はカミナの辞書にはないのである。これは生まれ持った特質であり、「ここまでが限界だから妥協する」ことそのものを理解出来ない。だから「何故そこで諦める?」という反応になるのではないか。
 そしてそれこそ、螺旋族絶望の時代のSEED MANになくてはならないものだろう。


 シモンはそんなカミナの行動に、しばしばストップをかける。その限界を知らぬ思考と行動は常に命の危険が伴うからだ。
 アダイ村でもカミナを制したのはシモンだった。
 結果的にカミナの言葉は旅の仲間を増やすことになるが、村そのものが変わることはなかった。



 結局…このアダイ村を変えたのは、世界を制している巨大な壁、螺旋王ロージェノムとの戦いに打ち勝ったシモンだったのかな、と私は思う。カミナの言葉は人を動かすが、最終的に壁を打ち壊すトリガーを握っているのはシモンだ。
 「天元突破グレンラガン」という物語では、最終回までその構図は揺るぎなかったと思う。





 状況が変わる。運命が動き出す。加速する。
 知らなかったことを知る。視界が開ける。
 目の前に立ちふさがる壁は、更に大きくなっていく。
 そんなことを一切意に介さずに前進しようとするアニキを誇らしく思いながら、少年は成長していく。




まだつづくー







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色んなプロジェクトあるのなー

 
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