2009年04月30日

天元突破グレンラガン考・4 兆

 第一部の冒頭、ナレーションは語る。
 「これはまだ自分の運命を知らない男の物語」

 運命とは何だろう。
 色々な考え方は出来るが、人の進むべき道や決定する意志、それを取り巻く環境や出会いなどが、すべて絡み合って出来上がっているものではないだろうか。運命の歯車は様々なファクターを巻き込み、一つの流れを作り出す。



 舞台は地下に閉じこめられた人々の小さな村。ドリルで「より地下深く」穴を掘りつつ生活をする人々。その中にあって、誰よりも深く、長く、穴を掘れる少年『穴掘りシモン』。彼は来る日も来る日も、下へ下へと穴を掘り続ける生活を繰り返していた。ある日彼は、小さな小さなドリルを掘り当て、そこから物語の主人公である彼の運命が流れ出した。
 小さなドリル…コアドリルはさらに巨大な「顔」を掘り出す。後にラガンと呼ばれるそのロボットは、恐らくコアドリルに反応して近付いてくるのだろう。二部で敵に捕らわれたシモンがコアドリルを使って脱出しようと黙々と壁を掘り続けている時、まるで声なき声に呼ばれたが如く、うち捨てられたラガンがやって来ている。


 時系列的にはそれより過去に遡るが、シモンは生まれ育った村で重要な出会いを果たしている。彼がアニキと呼び心を通わせる青年、カミナだ。
 少年シモンの心に響く言葉をかけ導く男、カミナは言う。



 「お前のドリルは天を突くドリルなんだよ!」



 彼等の住む世界の【常識】を考えると、元来ならばあり得ない言葉ではないだろうか。
 彼等の頭上には常に地表という天井があり、その概念の中には私達の思い浮かべる【空】はない。そもそもドリルとは常に下か横、己の手の届く範囲の障害物を掘り進めるための道具であり、手の届かないなにかを突き破ることは出来ない。

 正直カミナは賢い男ではないと思う。多分この「お前のドリルは天を突く!」という言葉は、余り深く考えて出たものではなく、「なーんとなくこいつなら出来る気がする!そうに決まってる!」というワケの分からないぼんやりとした予感のようなものだったのではないかと思える。
 しかし、その妙な直感に確信があるかのような言葉を与えることが出来る男なのだ、カミナは。恐らく彼の言葉というのは魂の言葉であり、だからこそ人のハートの奥に眠る何かを揺さぶるのだろう。だから私は、彼のことを「種を蒔く人(シードマン)」と思っている。


 カミナはコアドリルを身につけたシモンに「似合ってるぜ」と声をかけた。
 掘り当てたラガンを「これはお前のだ」と宣言した。
 魂の兄弟=カミナとの繋がりと、コアドリル=ラガンとの出会い。二つの螺旋が重なった時、シモンは真に「天を突くドリル」を手に入れたと言える。道は彼の前に開かれてはいるが、今だ少年はそこに見えている己の為すべきことを知らない。



 敵の襲来と初めての闘い、そして天に向かって突き進むドリル。
 高まるエネルギーの渦の中で、ついに地表を突き破って天に舞うラガン。
 無限の空と遠い地平、溢れる美しい光。




 今までずっと不可能と思ってた。
 …でももしかしたら出来るんじゃないか?





 この物語は、パラダイムの転換から始まったと言ってもいいのかも知れない。






天元突破グレンラガン劇場版 紅蓮篇 グレンラガン 青ジャージ


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当店販売価格 9,800円 (税込) 送料別

なかなか着やすいデザインだけど、背中のマークが鬼門(笑)

 
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