2009年04月14日

天元突破グレンラガン考・2 種

 全27話、四部構成。最後まで失速しないどころか加速し続け、その物語は完結した。
 たった半年という放送期間からは想像出来ない密度の濃さと、それを可能にした考え抜かれたであろう構成。散りばめられた名セリフ。アニメという表現媒体を最大限に生かしたクオリティの高い作画。それらが全て一つに貫かれて巨大な渦を作りだしているが如きこの「グレンラガン」。一体何処から紐解けばいいのだろうか。
 戸惑うことが多いのだが、思うところからとりあえず書き始めてようと思う。




 さて、ここで改めてカミナという人物について考えてみたい。


 カミナという男は、ぶっちゃけあまり賢いタイプではない。後に世界をひっくり返す「グレン団」のリーダーは、かつてのロージェノムがそうであったように、その力も知恵も勇気も揺るぎなかったであろう最強の男というわけではなかった。
 どちらかというと口先だけはやたらと流暢で、そこには確実性があるのかないのかさっぱり分からず、およそ知性というモノからはほど遠いのに、そのクセ人の心だけはがっちり掴む言葉を吐く。
 じゃあいい加減でしょーもないヤツなのかというと、たまらなく魅力的であり、男の中の男、いやむしろ漢!というような人物だ。



 私は最後までこの物語を見終わった時、改めて

 「カミナとは何者だったのか?」

 と思い返さずにいられなかった。序盤でその命を散らしながら、何故彼はあそこまで物語の中で光を放ち続ける存在たり得たのだろうかと。



 ……で、思ったこと。(ここからは私の勝手な解釈です


 「グレンラガン」はその物語が後半になって、ようやくこの世界の謎が明かされた。
 宇宙はアンチスパイラルと名乗る勢力に制圧されている。我々のような螺旋遺伝子を持つ生き物は、圧倒的な絶望の元に封じ込められている。かつて己の生存をかけて戦った螺旋の戦士達は、ことごとく敗れ去っていた。
 そして地球では、1000年の長い間、螺旋族は幽閉された状態で細々と生きてきた。その闘いの記憶すら、彼等の意識に上ることもない。
 そして万が一、100万人以上に人が増えた時、アンチスパイラルは殲滅しようと動き出す。そして、その時にメッセンジャーとして覚醒する疑似生命が潜んでいる。


 しかし、実は螺旋族にもメッセンジャーがいたのではないか?


 それはアンチスパイラルがしたように、何者かによって意図的に送り込まれているのではない。長い時間をかけ多くの犠牲を払って、抑圧され続けてきた螺旋の遺伝子が、その生存をかけて作りだした希望の欠片。どうしようもなく絶望的な状況の中で、必ずその壁の向こうに光が満ちあふれた世界があるのだと、指さし導く不屈の魂。

 どんなときも、時代の新たなるパラダイムを作り出す人物が存在する。人の意識の進化を牽引していく力のある「言葉」を、「思想」を、人々に植え付ける人物。
 もしかしたら、いやきっと、シャーマニック存在なのだろう。
 それを「種を蒔く人」…SEED MAN 、と呼ぶのだそうだ。
 SEED MANの言葉は、人の心に種を植え続ける。いつかその人の胸の奥で、その言葉が芽吹き、成長し、花を咲かせる日が来る。より多くの人の心に花が咲いたとき、その思想は時代を作り上げ、人は新しい一歩を踏み出す。


 カミナは、この物語の宇宙が生んだ種蒔き人だったのだと、私は思う。


 だから。だから彼の言葉には魂がこもっていたのだと。余り深く考えもなく投げかけられる言葉の中には、実は時代と種の集合意識が求める大いなる希望をチャネリングしていたのだと。その言葉に触れた者の意識を目覚めさせるように。その思いを感じた者の魂を揺さぶり動かすように。
 カミナの意識には「限界」がない。やって出来ねぇことはねぇ!何故そこで諦める?俺にはさっぱりわからねぇ!まさにそのリミッターの振り切れた思考回路こそ、螺旋族の魂の叫びだった。その何の根拠もない熱意こそ、螺旋属が絶望の底で求めた光だった。
 「天元突破グレンラガン」の物語を、最初から最後まで、カミナという男の言葉が精神の背骨となって支え続けていたのは、そう言う理由からではないか…と、私は考えている。



 時代に「種を蒔く男」は、ひとりの男と出会う。いや、見出す。

 こいつなら、俺の蒔いた種を育てることが出来る。
 見たこともないような花を咲かせることが出来る。
 何故かしらねぇけど、俺には分かる。分かるんだよ、兄弟!
 シモン。お前ならやれる。俺の信じるお前を信じろ。
 お前のドリルは天を突くドリルなんだよ!




…とまあこんな感じで続きます。
ついて来られる人はいるのか?






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何でこれほどまでに魅力的なのか不思議。

 
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