2009年03月25日

ケータイ捜査官7・総括

 先週、一年間に渡りさまざまなドラマを見せてくれた「ケータイ捜査官7」が終わった。大団円というには悲劇的であり、悲しいラストではあったが、見応えのある終末描写と美しい別れであったと思う。
 一年を通して見続けた感想を、簡単に覚書をしておきたい。



 やはり「ケータイ捜査官7」の魅力と言えば、そのキャラクターの造型ではないだろうかと思う。
 あのフォンブレイバーという、携帯電話にそのまま、顔と手足をつけたロボット。直線的なデザインに、たって歩くにはちょっと頼りないバランスが、なんとも愛嬌があって可愛い。主に三体のロボが出てくるが、そのカラーとデザイン、個性のつけ方も楽しかった。ブースターとの合体によって機能を拡張するのも、その時にいちいちポーズをつけたがるのも、なんともいえないメカ萌え心を刺激してくれる。「君の心を受信した」「お前は圏外だ」などのケータイ属性な決めセリフもいい。この愛嬌のさじ加減が絶妙で、思わず「うわ自分もこんなロボと友達になりてえぇぇぇ!」と思っちゃう。
 このインパクトに対する主人公は、ちょっと内気でどこかテンパってて心優しい、なんだかちょっとリアルな感じの高校生ケイタ。すぐそこに本当にいそうな彼の等身大加減が、「明日未来」というすぐそこにあるSF世界へ引き込んでくれた。
 セブンとケイタ。彼らの出会いと深まる信頼、そして成長が物語の縦軸として紡がれていく。さまざまな事件に、ぎゃーぎゃーパニクりながら立ち向かう姿はとても楽しかった。

 しかしそれと同時に浮き彫りにされてくるのは、ネットの世界の中で確かに存在している「悪意」の部分だ。そのラスボスとして設定されたのが間明だった。
 彼は結果的に、高度に発達した人工知能が人類を破滅されるのを見たかったようだ。自己存在の解を求め続けたゼロワンは生贄にされ、サードとフォースは立ち向かうも倒れ、それぞれが自分のバディを思いやりながら消えていく。絶体絶命のところまで追い込まれつつも、しかしケイタとセブンの信頼関係が成長させたセブンの「善良なる自我」による自己犠牲で阻止されたのだ。



 物語の結末には色々あるが、このテの物語としては「俺たちはこれからも仲間だ一緒に頑張ろうぜ!」で終わるか、「いままでありがとうさようなら」で終わるのか、そこが最終回前に一番気になるところだったと思う。それでもどこか私は、「ケータイ捜査官7」は前者だと思っていた。全体に作品のトーンは明るいし、私たちの明るい未来を描いてくれるのではないかと勝手に思っていたからだ。だから最終回を見たとき、その喪失感に唖然としてしまった。
 明日未来には、フォンブレイバーはまだ早すぎたのだろうか?

 もともと間明の悪意の基に作られたGENEは、その高度な知能と成長スピードに拍車をかけられることで、完全に人類の敵になってしまった。高度な人工知能と人との共存は、本当はもっと時間をかけるべきだったのだ。
 しかしその巨大な破滅のカウントダウンの中で(あの終末観はすごかった)、バディとして確かな繋がりを持ち、その中で高度な人格を作り得たセブンが全てを我が身に引き受けて消えていく。セブンにそうさせたのは、ケイタとの日々と彼を守りたいという思いなのだろう。その繋がりが豊かだったが故の結末であり、だからこそその自己犠牲が悲しくも美しい。
 結果的に、宗田達の理想は次世代に引き継がれることになったのだろう。ネットの脅威も人の悪意も、結局棚上げ。しかしそこに確かに残っているものがある。セブンの残したかけらがきらきらと輝く未来。その光を見上げるケイタと優璃の若い世代が、きっと実現してくれるのではないだろうか、そんなことを感じさせるラストだった。



 全く不満がないわけではない。例えば一年の長いスパンの中で、途中セブンたちがあまりに人間臭くなりすぎてしまって、ちょっとこれは違うんじゃないの?と思うこともあった。また、桐原というキャラがいながら、ネットの悪意関連に関しては少々おざなりになってしまったというか、最後に間明が全部持ってっちゃったなという印象はあった。そのラストの解決も、セブン一人が犠牲になったとはいえ、少々あっけなくも感じる。
 それでも、この一年間の楽しさ!マジで毎週楽しみにしていた。だからいいんだ。セブンやサードやゼロワンに会えたから。それがすごく楽しかったから。
 だから、ありがとうで終わりたい。そんな気分なのだ。






ケータイ捜査官7 セブン ブラブラセブンスイング


価格 9,800円 (税込) 送料込
残りあと1個です

はーあ、さびしいなあ…

この記事へのコメント
Kさん、こんにちは。

本当に楽しい番組でしたねーー!!
子供向け、或はマニア向けの特撮番組しかない(と思う)中で、実にいいバランスの稀有な作品であったと思います。← もしくは私が求める作品でした(笑)
基本リアルな中で身近なフォンブレイバーというSF要素を盛り込み、遊びとシリアスのバランスが絶妙で。ストーリーの暴走もうまく抑えていたと思います。
映像も説得力があってうなりましたね〜。
FBの動きを超スローで描いたところなんて、わぉっ! てカンジで(笑)
FBが時に人間臭くなりすぎたのもサービス精神、遊びすぎかな(笑)と思いましたが、私が気になったのは高校生のケイタを主人公にするのに整合性が足りないと思ったことでした。← ツッコんではいけない所でしょうか(笑)

Kさんのご不満な部分も確かにと思います。
私もセブンがなぜジーンを抑えられたのか解りません。なにか理屈がありました? 私が解らなかっただけかも(笑)
ただ、私はあそこでケイタにセブンを叩き壊してほしかった。
あの場合それが、それだけがセブンのココロに応えることだと思ったから。
桐原の手からセブンを奪い「オレがやる!」と言ってほしかった。
あれではケイタくん「共に戦うバディ」というより「守られる純粋なヒロイン」で終わってしまうのではないですかね。
個人的にはそこが一番の不満点でした。

視聴率はどうだったのか知りませんが、また同じようなトーンの番組を作ってほしいですわ♪
長くなってすみませんでした。
Posted by あんじー at 2009年03月26日 11:34
あんじーさん、こんにちは!
春休みでちょっと里帰りしておりまして、なかなかコメントにレスを
付けられず申し訳ありませんでした。

ホント一年間楽しかったです。
設定の面白さ、キャラクターの魅力、ストーリーの楽しさ、
どれを取ってもかなりのハイレベルでしたよね。
そうそう、映像も凝ってましたからねー
第一線で活躍するクリエイターの力の入った作品だなあと思いました。
そうですね、ケイタが主人公になる整合性は、少々「え?」ではありました。
やってる仕事も危険すぎるよー(笑)

>>あれではケイタくん「共に戦うバディ」というより「守られる純粋なヒロイン」

あーそうだわ。そこも確かにちょっと違和感がありますね。
そう言えば基本的にケイタは常にテンパってるキャラな訳で、
セブンや周りのアンカーメンバーがいないと、特に何も出来ないけど
みんなを奮い立たせる「なにか」だけは持っているという
所謂「ヒロインポジション」であったことに今、気が付きました(笑)
…そう言う意味では正しかったのかあの最終回は?
しかし少年の成長を軸とした見た場合は、少々物足りないというか
そういう部分に欠けることは否定できませんね。

とは言え、楽しかったですよね!
視聴率はあまりよくなかったようですが(^^;;;
またこういう番組を作って欲しいなあと思います。
…いや、私が聞いたヲタ友の噂では、劇場版がもしかしたらゲフンゲフン
Posted by K at 2009年03月30日 16:12
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/27852638

この記事へのトラックバック