2009年03月03日

超星艦隊セイザーX考・11 成長

 超星神シリーズも三作目となった「超星艦隊セイザーX」。EDや予告のあとの「今日の一言」を見ても分かるように、その物語のメッセージは明らかに「子供たち」を強く意識している。そして幼い子供が見ても面白いノリの良さとわかりやすさ、大人が見ても唸る深いテーマを両立させた、素晴らしい作品に仕上がった。
 結果的に土曜日の朝を彩ってきた超星神シリーズの最後を飾る作品になってしまったが、それに相応しいクオリティだったと思う。




 私は前に、シャークが持つ精神的支柱と、宗二郎から春子に受け継がれた安藤家の空間、それがセイザーXを男性原理と女性原理のバランスの取れた組織にしていたと語った。それはそのまま作品としての「セイザーX」にも言えると思う。
 「ジャスティライザー」で語られた「勇・智・仁」を兼ね備えたシャークの揺るぎない決意。「グランセイザー」で最終的に到達した「異なった個性をも受容し調和させる心」を持った安藤家の茶の間。そしてそれらを若き戦士達が受け継ぎ、より深く掘り下げる形で物語は進む。

 面白いなあと思うのは、変身する三人の若者にそれぞれ欠けた部分があり、それを補う形で成長していることだ。
 主人公のタクトは勇気と仁愛に溢れた若者だが、決定的に知性に欠けた無鉄砲な青年だ。
 使命感を強く持ったアドは、勇気と知力に長けているかわりに、暖かさや思いやりを知らずに育っている。
 誰よりも成熟した精神を持っていたケインは、叡智と愛情は申し分ないのだけれど、「やるときはやるよ」と言いつつものんびり屋でワンテンポ遅れがち。

 彼等は成長する。その過程で、彼等の欠けているものとは何なのか、正義の心とはなんなのかが語られる。
 アドは仲間を信頼する気持ちや家族という存在、受け入れがたい現実すらも受け入れる心を知った。ケインは使命と家族を天秤に掛けられるが、自分の使命を選ぶ事が出来た。それは決して家族を捨てたのではなく、1%の可能性を信じて己のすべき事を全うする勇気である。
 その中でもタクトが、生来の闇雲に突っ走る情熱と懐深い愛情で、味方にも敵にもツッコミまくり、その過程で「何故戦っているのだろうか」「何故分かり合えないんだろうか」「なんでも望みが叶う絶対的な力って必要なんだろうか」と、思い悩み苦しんみながらも、自力でその答えを見つけていく過程が「セイザーX」の物語の中心だった。子供のような単純な思考回路と真っ直ぐな心を持ったタクトが、悩みながら成長していくことで、彼等の戦いの意味が何処にあるのかが明確に示される。




 ラスボス戦で、タクトはブラックライオと問答する。

 どんな物語でも、ここで主人公がどこまで敵を論破できるか、そこに説得力があるかどうかが、キモとでも言うべき部分ではないかと思う。ちゃんと言い返せないと物語のテーマが伝わらない。どんなに正しいことを語っても、それが薄っぺらだと心には響かない。
 その点タクトは素晴らしかった。彼の言う言葉には「セイザーX」が紡いできた物語の魂がこもっていたと言っていい。視聴者はその言葉を聞きながら、今までの彼等の戦いと混乱、それを通して勝ち得てきたものが、全てそこに集約されているのを知る。
 そしてその心に呼応するが如く、互いの立場や考え方を超えて、結びついた仲間達が駆けつけてくれるのだ。

 若き戦士達は、確かにシャークと宗二郎から最も大切な精神を受け継いでいたと言えるだろう。
 それぞれ考え方もバラバラで独立したひとりひとりの人間が、互いの存在を深く肯定し合える世界。誰もがどこかでつながっている、そういう世界を作るために、そんな素敵な未来を作るために、彼等の時空を超えた戦いがあった。




 彼等の最後の戦いを、シャークと宗二郎が見守る。
 二人が為し得なかったことをやり遂げて、若者達は笑顔で帰還する。
 そんな若者達を、宇宙は探していたのだろう。




 コスモカプセルの数は12個。
 このセイザーX考も、次回で終了の予定……
 なんか淋しい気がします。





おしえて!カプセイザーG2


メーカー小売価格 5,775円 (税込)
価格 3,980円 (税込4,179円) 送料別

これもほとんどコレクターアイテムの域(笑)

 
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