2009年02月12日

ベンジャミン・バトン −数奇な人生− 【ネタバレ感想】

 この世に生まれたとき、彼は80才の老人だった。年を経る毎に、段々と若返っていくベンジャミン。そこで繰り返される出会いと別れ。数奇な運命をたどった彼の人生を、美しい映像で淡々と綴った作品。
 人物の年齢により外見の違いは、特殊メイクとCGなのだろうが、どうやって撮影したのか分からない。特に主演のブラッド・ピットには心底驚かされると思う。
 号泣するような物語ではない。作品のテンションは比較的平坦で、しかしじわじわと沁み入るような感動がある。心静かに鑑賞する一作。







         【ここからネタバレ感想】







 老人で生まれて赤ちゃんで死ぬ。その発想の面白さと、どういう物語が綴られるのか想像が付かなかったが故に、早速観に行ってきた。

 普通とちょっと違う人の一生を追う。子供の頃に出会い、すれ違いながらも思い続ける女性がいる。多くの人々との出会いや別れを描く。移り変わるアメリカの様子が見え隠れする。こう書くと「フォレスト・ガンプ」を思い出すし、実際よく似た印象もある。題名も似てるし(笑)なんせ脚本家が同じだ。
 ただ「フォレスト・ガンプ」は、純粋な魂の持ち主の不思議なサクセスストーリーも軸にあり、それが作品にコミカルな色を加えているが、この映画にはそれはない。途中で他の女性に恋をするとか、戦争に参加するとかそれなりに事件も色々あるけれど、どれもフラットな印象だ。唯一目立つのは、ただ一人、ベンジャミンだけが若返る。それだけ。
 しかし、そこにこそ、この映画の良さがあるなと感じた。

 ネタバレ感想、とは書いたものの、この映画を見た後、私に浮かぶのはこの一言だ。




「段々若返る人」がいた。





 人生は、唯一無二。それだけで尊い。





『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』オリジナル・サウンドトラック


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それにしてもすごい合成技術だったなあ…


 
posted by K at 14:55| Comment(0) | TrackBack(3) | 映画・DVDなど
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