2009年01月14日

超星艦隊セイザーX考・4 ボケとツッコミ

 様々な立場の人間が入り乱れ、それぞれの考え方を超えてつながっていく過程が丹念に描かれるセイザーX。メインキャラだけでも結構な数なのだが、すんなりとうけいれられるキャラ立ちと、ゴチャ付かない力関係で視聴者に無理なく人間関係を理解させてくれる。
 その流れが最終クールで花開いてくるのだが、1クールは味方同士で、2クールは敵側も入り乱れての人間関係が面白い。



 ここで超星神シリーズ三作のキャラ達について軽くふれたい。



 超星神シリーズと言えば、必ず言えるのが…


 主役はバカ。


 これだけは外せないのではないだろうか。しかもバカはバカでも単純明快熱血バカで、それこそが超星神シリーズの主役を張るための条件ではないかと思われる程、徹底してみんなバカ。



 グランセイザーの天馬は、熱血バカでありつつも、ややDQN属性を持っており、「ぶっつぶしてやる!」と物騒なことを言う。装着する時の変な顔もそれっぽい。「よし、俺探してくる!」と後先考えずに研究所を出て行って「ちょ、ちょっと天馬ぁ」「あのアンポンタンが!」と、仲間達や博士に呆れられるのが常だ。スタンスとしてはどちらかというとボケ。
 ただグランセイザーは、「十二人の戦士全員がボケ」とも言える凄まじいカオスヒーローであり、視聴者は物語を見ながらツッコミまくるのが楽しい視聴の仕方だった。
 終盤近く、それまで全員がそれぞれ好き勝手にボケまくっていたのが、最後に意志を一つにするプロセスはよかったと思う。正にそれがグランセイザーが異なる資質を持つ十二星座の戦士たる所以だった。

 ジャスティライザーの翔太は、天然系熱血バカ。ヒロインであるユカに、露骨に「翔太のバカ!」と言われた回数数知れず。ジャスティライザーの三人の中では、完全にボケ。ユカは正統派ツッコミ、真也は生真面目ツッコミで、キャラバランスとしてはトリオ漫才の状態だった。
 この安定した状態が、ドラマとしては良くできていながら、グランセイザーのカオスに慣れた人間にはやや物足りない印象もあった第1クール。それが第2クールになって、真也の隠れ熱血面が見られたり、それまでお嬢様キャラだった澪さんがボケに回り始めたり、脅威のクールボケ・デモンナイトの登場で面白さが加速し始めた。特にクールボケと生真面目ツッコミのやりとりは最高で、「…胃が収縮している」「血糖値が下がっているんだ」と、真顔でやりとりされた日には呼吸困難を起こしそうになった(笑)



 そんな歴代主役は「バカでボケ」が定番だったのだが、セイザーXの主役である安藤拓人は「突っ走りバカでツッコミ」という新たな属性になった。
 これが絶妙の配置だったのが、セイザーXのドラマには非常に効果的だったと思う。地球代表のタクトが、視聴者と同じスタンス・同じテンポで、未来から来た仲間達や宇宙海賊達にツッコミまくる。いつだったか、私はこれを

   「踊る!タクト御殿」

 …などと言って笑っていたけれど、案外これは的を射ているのではないかと自分で思っている。

 ツッコミというのは、相手と自分のスタンスの差や状況の把握など、それなりに相手に対する直感的な理解を深めた状態でないと出来ない行為だ。
 今までの主役は単純バカでありながら、その心の奥に燃える熱いヒーロースピリットの輝きに共鳴した仲間達が、彼のスタンスを理解しながら自分の役割をこなした感がある。しかしタクトは逆に、周囲を理解していこうとする側に立った主人公だ。なんであいつ等はこんな事言うんだ。どうしてこれじゃだめなんだ。俺、判んねえよ爺ちゃん。周りにオープンハートにツッコミまくり、失敗して落ち込み、それでも前進しよう理解しようとする。
 最初から賢く理屈で理解しているのではなく、体でぶつかって衝突していくうちに、生来の素直な性格もあって柔軟に色々な考え方を身につけていく。最初は偉大なる祖父に認めてもらいたいから、そして段々とみんなのために戦うヒーローへと成長し、最後にはより深い人への愛と理解に目ざめていく。
 そしてそれは、テレビを通じて「ツッコミ」を入れていた私達自身にもリンクするのだ。


 セイザーXはタクトの成長物語が非常に上手く描かれていたのではないだろうか。そしてそれが深いテーマに無理なく直結する時に、私達はすでにタクトに対して深いシンパシーを感じている。
 最終話近くで闇に対面し、ブラックライオにしっかりと自分の言葉で論破出来たタクト。セイザーXを見守ってきた視聴者なら、彼の言葉に深く共鳴したことだろう。




超星艦隊セイザーX/ジャンプだ!僕らのセイザーX!!


本体価格 1,200円 (税込 1,260 円) 送料別
取り寄せ(1〜14日以内に出荷予定)

これは名曲ですよ。

 
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