2009年01月06日

超星艦隊セイザーX考・3 若者達

 シャークと宗二郎という、揺るぎない大きな精神の支柱を持った「セイザーX」だが、エピの中で彼等が大きく注目されているのかというと、意外な程出番は少ない。物語を動かしているのは、タクト達セイザーXの若者達であり、デスカル三将軍の面々であったりする。
 シャークは己の消滅を予期して、最初から「新しい未来を若者達に任せる」ことを念頭にに行動している訳で、基本的に「見守る」立場だ。それは年老いた宗二郎も同じであり、彼等は己の夢と希望を次の世代へ託している。
 そして事実、若者達の様々な葛藤や紆余曲折が、めぐりめぐって新しい未来を創り上げていくのである。



 この物語の題名は「超星艦隊セイザーX」。超星艦隊、というだけあって、未来からやって来たメンバーは、その出身星や身体的な特徴は様々だ。そこに地球出身の安藤拓人が加わって、セイザーXが結成される。

 今までの超星神シリーズの特徴として、「俺たちは仲間だ!」というセリフを挙げる人は多いだろう。グランセイザーでは左手の甲に浮かぶ星座の象徴が、ジャスティライザーでは空から舞い降りてきたインローダーが、彼等を選ばれた戦士として導く。その結果彼等は迷うことなく戦いに参加し、強い絆で結ばれる。
 しかしセイザーXのメンバーは、まず第一に「使命」ありきだ。あとはそれぞれバラバラの思いを抱えて、自分に与えられた使命を全うしようと地球にやってくる。



 未来から来たメンバーは、シャーク隊長に選ばれた戦士達。
 ネオデスカルに支配され戦いが絶えない時代に生まれ、それぞれの判断で反乱軍に参加した。2005年の地球に行くミッションは、それを遂行すると再び自分が生まれ育った環境には戻れなくなってしまう。それを覚悟の上での任務だった。

 平和な地球で生まれ育ったタクト。
 彼はまだ幼い頃、祖父から不思議なブレスレットを渡される。何時か宇宙海賊がやってくる、そいつ等と戦わなくちゃならないと。タクトはその言葉を信じ、忘れることなく2005年のその時を迎えた。

 未来から来た悲壮なまでに強い使命感を持ったメンバーと、自分の胸の内に祖父の言葉を暖めていたタクト、彼等は当然ぶつかり合う。「背負っているものが違う」と言われて反感を持ったり、自分が戦う理由に悩んだりもする。
 1クールの展開は、そうした彼等の考えの相違が浮き彫りにされる。それぞれが背負っているものは確かに違う。しかしこの戦いに勝たなくてはならず、その為にはお互いを理解し合って協力をせざるを得ない。


 特に家族制度を持たない超管理社会に生まれ、戦士として生まれ育ったアドは、無為に侵略された地球の人々が許せない。厳しくも温かい家庭で育ったタクトとは正反対で、それ故に対立することも多い。
 アドが何故ドラマの中で「白い米の飯だけはダメなんだ」と言い続けていたのかは、はっきりと語られていない。が、恐らく彼にとって白い米の飯というのは、受け入れがたい正反対の価値観の象徴のようなものだったのではないだろうかと思う。自分が当初否定していた「安穏と暮らす地球人」の食生活を受け入れてしまうというのは、彼にとってはそれまで培った自己アイデンティティを否定するのに等しい行為だったのかもしれない。

 一方ケインは、おっとりしてはいるものの非常に考え方はしっかりしていて、未来の悲惨な現状も家族の大切さも知っている、タクトとアドの架け橋のような役割になっている。
 それでも戦いに参加するためには「この星が守るに値するのか」を自分の目で見、肌で感じて納得する必要があった。どんな小さな可能性でも信じて「絶対って事はないんだよ」と笑顔で言える彼は強い。そんな彼だからこそ、故郷の星の安全と引き替えに裏切りを示唆された時も、思いを振り切ることが出来たのだろう。

 そんな様々な若者達の葛藤の中で、「驚くべき馬鹿」と呼ばれたタクトは、そのひたむきな姿勢とオープンハートな振る舞いで、次第に多くの人達を結びつけていく。
 その過程こそがこの「セイザーX」のキモであり、最後の戦いに向かって突き進んでいる、物語の深いテーマでもあるのだ。




 余談だが、とある「セイザーX」のヒーローショーで、タクトとレミーを演じた役者さん達が出たことがある。ショーのあとトークショーがあり、そこでは珍しく「役者個人として」ではなく、「セイザーXのタクトとして、レミーとして」質問を受けて話してくれたのだそうだ。
 そこで「戦いで辛かったことはありますか?」という質問にタクトは「戦いそのものは辛いと思わなかったけど、子どもの頃、友達に宇宙海賊なんて来るわけがないと言われたのが辛かった。でも俺は爺ちゃんを信じていた」と答えたとのこと。
 確かに、平和な地球に生まれ育ったタクトには未来組程は背負ったものは大きくないかも知れない。しかし彼が生きてきた年月に温めた思いは、言葉では語り尽くされないものがあったろうと思う。そして、この問いかけにそんな風に答えられる役者さんも素晴らしいと思った。いい人に演じてもらったね、タクト。



まだまだ続く。ああ、マジ長いw





超星艦隊セイザーX
 なりキッズ 通信!分析! セイザーパッド


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このおもちゃね!メンバーの声が色々入ってるんですよ!!
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