2008年12月02日

ウルトラマンメビウス考・7 光の遺伝子

 ウルトラマンのヒーローショー。
 舞台の上で繰り広げられる光の戦士達の闘いを見守る沢山の親子。子供達の「がんばれーーーーっ」の声援の中、立ち上がるウルトラマン達。そこに満ちていたエネルギーを思い出すと胸が熱くなる。
 すぐ側で見守る子供達の声援に、かつての自分が重なる。呼び戻される。そしてあの頃のときめきが、確実に今の子供達にも継承されているのを肌で感じられた。




 少し話がずれるけれど、「ウルトラマンメビウス」という作品を語る上でどうしても必要なので、ここで書いておきたいことがある。



 私は2005年の東宝作品「超星艦隊セイザーX」を見て以来、ひとつ気になっている言葉があった。
 それは【継承】だ。

 現在子供のいる人、いない人に拘わらず考えてみて欲しい。もしも一人の人間を育て上げなくてはならないという状況になった時、あなたは子供に何を伝えようとするだろう?人は社会の中で生きなくてはならず、生き残るための競争は厳しく、彼等の未来は決して平坦ではないことをあなたは知っている。それを総て承知した上で、新たに生まれてきた魂に、あなたが彼等に与えるものはなんだろうか。
 人の心は複雑なので、決して教科書通りの子育ては出来ない。しかし敢えて理想を言えば、自分が経験の中で得た、最も「よいと思うもの」を与えようとするのではないだろうか。
 実はそんなことは人が考えるまでもなく、生命の神秘の中に埋め込まれていることでもある。地球上を生きる生き物にはすべて「遺伝子」があり、そこには多くの情報が伝えられている。遺伝子に伝えられた情報を元に、生き物はこの世界で「よりよく生きる」為に進化し続けてきた。更に人は言語を使うことで、その情報伝達を世代単位で効率よく行えるようになったわけだ。

 どんなに素晴らしい情報でも、一人で独占していてはなんの意味もなさない。情報は共有し、継承され、人々の間で世代を超えて伝わってこそ、その輝きが増す。最初は単なる突然変異でも、伝えられることで種の財産になる。それは進化の法則だ。そしてそれは逆に他方に影響を与えはじめる。
 様々に変わっていく環境の中で、確かに伝えられていくなにかが、逆に世界を変えていくのだ。



 私は前回、「ヒーローとの出会いは胸の奥で輝き続けている金字塔」と書いた。悪と戦うヒーローの姿。そこに描かれるヒーロースピリッツは、人が持ちうる最高度に高められた善意の魂であり、ヒューマニティーの結晶とも言える。それは個人にとって、(気付いているかいないかは別として)魂の宝石のような存在だ。が、反面それは個人の閉じた世界に限定されてしまう。
 そしてそれは、単なる懐かしい想い出になってしまうのだろうか。人の記憶は曖昧で不確か。その上、いつかはヒーローを「卒業」してしまい、その頃の思いを忘れてしまうことが多い。確実に次へと伝えられるバトンがなくてはならない。

 そう考えた時、私はウルトラマンというシリーズに深い敬意を抱かずにおれない。

 途中のブランクがありつつも、40年という長きにわたり製作し続けられている偉大なる特撮シリーズ、ウルトラマン。
 必要最低限の「縛り」「型」を持ちつつ、時代の流れの中に対応して新しく作り出され、でも誰もが一目でそれとわかる勇姿。スタイルや設定は変わっても、そこに継承され続けている「光の遺伝子」は、変わらない。それを受け取る私達にも、それは互いに共鳴しあい、広がりをみせているはずだ。

 「ウルトラマンメビウス」の中で、メビウスが伝えてくれたウルトラ兄弟達の光の意識。
 もしかしたらそれは、現在の日本の総人口の半分以上に伝えられているかも知れない。これはすごいことじゃないか?




 人は遠い未来、ウルトラマンに近付けるのか。それとも侵略宇宙人になってしまうのか。それは誰にも分からない。
 しかし私達は、ウルトラマンに出会えた。そして「ウルトラマンメビウス」の物語の中で、彼等の人類への愛は決して途切れたことがないことを知らされた。
 人はそれに応えていくべきなのだろう。



次でやっと終了です…




ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟超全集


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