2008年11月25日

ウルトラマンメビウス考・6 「俺達のウルトラマン」

 ウルトラマンメビウスが終了して少し立った後、「ウルトラマンプレミアムステージ」を観に行くことが出来た。とても良いステージで、ヒーローショーとしては上質な作品ではなかったかと思う。
 会場は親子連れで一杯。目の前に現れたウルトラマン達に、誰もが目を輝かせていた。
 舞台には初代のウルトラマンからメビウス・ヒカリまでのウルトラマン達が勢揃い。平成ウルトラマンも登場。メビウス本編では名前しか登場しなかったウルトラマンキングも重要な役所で美味しいところをさらっていった。勿論怪獣も、昭和から平成までありとあらゆる有名どころが戦う。


 彼等が目の前に現れると胸が高鳴るのが分かる。
 あの時に見た、あのウルトラマンが。あの怪獣が。


 ふと、私は「ウルトラマンメビウス/思い出の先生」の中の、

「ウルトラマン80だ!俺達のウルトラマンだ!」

 というセリフを思い出した。
 この年の「日本オタク大賞」に輝くだけあって、このエピは非常に感動的な物語だ。その点について、私がまた言葉を重ねる必要はないだろう。「ウルトラマン80」をファンも納得する形で補完出来た…いやむしろ、ファンが涙して喜ぶ作品であったといえる。
 それはある意味ピンポイントでマニアックであるとも言えるだろう。名作であることに異論はないが、大河的に見てこのエピは、どちらかというと「番外編」でもある。「メビウス」の世界では語られたことのないマイナスエネルギーという設定が、この話にだけいきなり現れるのも不自然。「80」がなんなのかすら知らない子供達にとっては、物語も少々説明不足で、ホーの出現の意味など「Webメビナビ」でも読んでもらわないと理解出来ないのではなかろうか。



 しかし大人にとっては、この作品は「80」を知らなくても感動出来る普遍性も持っているのではないかと思う。思い出の中に生きているヒーローとの再会。ウルトラマンという作品が重ねてきた40年という年月が、誰の胸の中にも「俺達のウルトラマン」が生きている。
 人生の一時期をヒーローと共に過ごし、その後年を経て自立して、大人になった少年少女達が再び出会う輝ける勇姿。
 「ウルトラマンメビウス」の物語を追いながら、私達は再会する。テーマ曲と共に現れるウルトラ兄弟。ドキュメントとして記録されている怪獣達。基地に飾られている機体の模型。それらが物語の中に「存在している」ことで、自分の胸の奥に輝いていたなにかを肯定されるかのようなこの感覚。
 ヒーローに再会出来る歓びというのは、言葉に代えられない思いをもたらしてくれる。大人になった生徒達が、廃校寸前の校舎の屋上で、ウルトラマン80に向かって手を振る。そのシーンを見ながら、「よかったな」と感じながら、私達もその思いを共有していた。




 そうしたウルトラ兄弟の世界への思いが、やはりスタッフサイドにも大きくあったのだろう。「メビウス」は当時の作品を強くリスペクトしていた印象が強い。
 細かい設定・描写や、音楽の使い方など、その点に付いては私よりずっと詳しい人が多いだろう。でもそれらが世界の中に上手く“馴染んで”おり、旧作を知らない子供達にも自然に世界に入れるように出来ていたのは特筆に値すると思う。それもこれも25年というブランクが、ウルトラ兄弟の世界観を【伝説】レベルにまで昇華させていたお陰かも知れない。

 その中でもウルトラマンレオが登場した一作は、「メビウス」のエピのひとつとして、そしてレオというウルトラマンの物語としても、とても良くできたエピだったのではないかと思う。
 また「80」と並んでオリジナル作品の補完的色合いが強いと思われるのが、エースの活躍する「エースの願い」だろう。ラスト数分の星児と夕子の会話。ほとんど本編には関係ない番外のようなこの数分間ではあるが、本当に美しいシーンであったと思う。

 メビウス考としては蛇足になってしまうけれど…
 私はこの二人の再会のシーンには、近年よく見かける過激なエロスの描写とは真逆を行く、崇高な繋がりというのを感じた。スーパープラトニックとでも言うべきだろうか。二人が微笑んで手を重ね合わせるシーンの前には、LOVEという言葉すら陳腐に感じる。





 今の子供達が大きくなった時、彼等はもしかしたら、子供の頃に夢中になってみたヒーローの姿なんて忘れているかも知れない。覚えていても、“あんな下らないモノをよく見ていたなあ”程度に思っているかも知れない。
 しかし間違いなく、彼等の胸の中でヒーローは生きている。それは胸の奥で輝き続けている金字塔だ。それを気付かせてくれた「ウルトラマンメビウス」に、私は深く感謝している。
 そして出来るなら、彼等にヒーローとの再会の機会が与えられますようにと願わずにいられない。



 まだ続く(笑)長くてすんまそん。






ウルトラマンメビウス ソング コレクション


本体価格 2,800円 (税込 2,940 円) 送料別

「ウルトラの奇跡」はネ申曲。

 
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