2008年11月13日

レッドクリフ Part1(赤壁) 【ネタバレ感想】

 三国志演義の中でも、大きなターニングポイントとなった「赤壁の戦い」を描いた大作の前編。
 巨大な帝国の進軍を前に、それに相対する二人の君主を支える軍師の活躍が、この映画の軸となっている。圧倒的な戦力差を前に、智恵と少数精鋭の武勇でどう戦うのか?そこに友情は生まれるのか…
 三国志を全く知らなくても、最初の数分で「これまでのおなはし」みたいなのをダイジェストでやってくれるから大丈夫。でも大きく盛り上がるところで「つづく」になるから注意のこと(笑)

 で、こんな感じ。スターウォーズ・帝国のテーマで歌いましょう!

 帝国はとてもーつよいー♪
 戦艦はーとてもーデカいー♪
 奸雄曹操はわるい♪劉備は君子♪孫権はボンボーン♪






 【ここからネタバレ感想】





 ぶっちゃけでいいですか?いやほんとごめんなさい。

 私は余り面白くなかったな… 2時間半が苦痛だった。お尻が痛くなったし。なんでこんなに長いのか不思議。多分、私が監督の演出というかカット割りが、あまり好みでないというか相性が悪いのは大きいんだと思う。戦いのシーンですら冗長に感じたもの。普段からスピーディーなアニメや特撮の見過ぎなのか(^^;;;
 でもさ、中国のドラマ「三国演義」も見たけど(南蛮征伐あたりでDVDレンタル挫折中・笑)、あれはあれで面白かったんだよ?あんなまったりしたドラマなんだけどさ。だから逆に不思議。うーん、なんでだ。
 これってもしかして、欧米版の三時間作品の方がテンポよく見られるんじゃないの?と思う。戦いのシーンは、楯を有効に使った陣形が面白かったし、各将軍の見せ場はよかったもの。
 でもなんちゅーか、三国志の個人的な一番のキモは私、忠義の心!みたいな部分なのよね。それがなかったのはとても残念。最初の趙雲の単騎駆けくらいかな。

 とりあえず、私的には曹操の描写が不満だ!
 赤壁の戦いがメインなので、帝国vs小国という構図を出したのはいい。大河を埋め尽くす戦艦の画は圧倒的だった。だったらそれらを率いる曹操にも、それなりの魅力を出さないと危機感がない。
 見た目は史実そのままの小男(笑)いや、実際の曹操って小さくて軽い男だったらしいんだよ。だからあのキャスティングはいいと思う。ただ、「美女を手にするのを目的として」みたいなのが余計。ただのエロ爺になってしまう。軽そうな小男が、実は兵法に精通し、虚実で揺さぶり、唯才を掲げ改革を行い、後生に讃えられる詩を詠む。それだけの魅力と大きさがあるから、曹操は恐いんだよ。それを全く描いていないんだよね。
 一人の美女を得るために軍を動かす。それもありだろう。でもそれをやって説得力を持たせるなら、君主の見た目にもハッタリ咬まさなくちゃ、バランス悪い。ラオウみたいなさー(笑)

 周瑜も、個人的にはイマイチだったな。いや、これも本当に私の主観で申し訳ないんだけど、孔明の金城武が美しすぎるのだよ。三国志の中でもトップクラスの美形は、周瑜や趙雲のはずなんだけど、何故か彼等よりずっと孔明がいい。マジで金城武ってこんなに美形だったのかと、思わず刮目してしまったさ。彼と比べてしまうと、美周郎が霞む。ただ、知謀と武勇と人徳を兼ね備えた、呉軍を担う司令官としての描写は良かった。
 で、その孔明はと言うと、なんとも真摯で真面目な孔明だった。駆け引き上等の黒さが微塵もない。ある意味新機軸な人物解釈(笑)
 周瑜と琴のセッションで語り合う、っていうのはなかなか面白かったな。二人の関係も今後は決裂していくわけで、後半でどう描くのかは興味のあるところ。

 徳と志は高けれど敗走を余儀なくされている劉備と、未だ大きな戦を経験したことのない若き君主、孫権。彼等のキャラ付けは古典通りというか、いいんじゃないかと思う。孫権は特に初々しくてよかった。張飛は一番イメージ通りだったなー 関羽は、中国ドラマの方が関羽!って感じだったか。

 でもって、これ、三国志演義そのものでもないんだよね。甘興とかオリキャラ出てくるし。ストーリー展開も色々と… どうやら後編はまた、色々違ってくるらしいよ。やるからには中途半端ではなく徹底して欲しいな。
 どっちにしろ、お膳立てした状態で「つづく」だから、見所は全て次回。情報戦に苦肉の策、派手な火計は見られるのか。オリジナル展開はそこにどうからむのか。でもってホウトウでてくるのかなあ(笑)

 それから私は、曹操贔屓の蒼天航路厨なので、この映画に関してはちょっと辛口なのは仕方ないんだよ!(^^;;;




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posted by K at 19:49| Comment(1) | TrackBack(1) | 映画・DVDなど
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なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
Posted by 日本インターネット映画大賞 at 2008年12月21日 14:08
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Tracked: 2008-11-13 21:40