2008年11月11日

ウルトラマンメビウス考・4 サコミズ

 光の巨人ウルトラマン。その心を示すが如く、身体は見上げる程に大きく銀色に輝く。決して諦めない心と「愛するものを守る」という強い行動原理、志を同じくする「兄弟」たちとの堅い絆。そして彼等は奇跡を起こす。
 戦いを終えて飛び去るウルトラマン。人類が空を見上げる果てに、彼等の存在はある。

 その後ろ姿を、私達は見送るしかできないのだろうか?

 「ウルトラマンメビウス」では、そんな問い掛けに積極的に答えようとした作品ではないかと思う。今までも人類とウルトラマンの共闘を描いたエピは多かったろうが、「ウルトラマンメビウス」では作品の根本的なテーマとして繰り返されている。ウルトラマンを主役に据えることで、ウルトラマンから人間への思いを語りつつも、人間サイドからウルトラマンへの思いも同じくらい重要な位置づけで語られるのだ。
 ここでキーになる人物、それはGUYSの仲間…特にリュウはメインキャラとして描写されてはいたが…ではなく、やはりサコミズ隊長なのだろう。



 宇宙を旅していたサコミズが、冥王星軌道で遭遇した出来事。
 襲いかかってくる無数の円盤と、それを一撃で倒して見せた光の巨人との出会い。

 その経験が、彼を地球へと帰還させ、GUYSの結成を決意させたという。
 彼は悟ったのだ。ウルトラマンは地球と人類を心から愛してくれていた。誰も気が付かないうちに、知らないところで、常に人を外敵から守り続けてくれていた。そんな彼等の心に答えたい。自分も共に戦う道を選びたいと。
 このサコミズの決意こそ、「ウルトラマンメビウス」の物語の中で常に温められていた人間サイドの思いではなかったか。

 ウルトラマンの愛は、もしも人間レベルに落として考えるならば、最も近いものは子供に対する親の愛かもしれない。同じ遺伝子を持つ我が子の、弱いところや醜いところも愛する。その成長を見守り、気が付く限り外敵から守ってやろうと思う。
 しかし子供もいつか、自分が守られていた存在であることに気付く。(むしろ親の愛に気付くことが出来た子供は幸いだ)そしてそこで意識の選択が行われる。愛に気付くのか、気付かないのか。気付いたのなら、どうするのか。ただ漫然と受け容れるのか、拒否するのか。むしろ足りないと文句を言うのか。与えられた愛に応えようとするのか。
 サコミズの出した答えは「その思いに応える」だった。ただ与えられて、それでよかったねと思うだけではない。「勝手に手出ししやがって!」と文句を言うのでもない。その心に応えたい、と自然と湧き上がる思いだったのだろう。ウルトラマンに依存するのではなく、かといって自分の領域を侵されたと反発するわけでもない。愛は愛として受け止め、尚かつ応えようとする心というのは、成熟し且つ純粋な精神を必要とする。

 実はその純粋な思いこそ、ウルトラマンの光の意識に似た輝きを持つものだったのではないかと思う。ミライがGUYSのメンバーを選んだ時に見たであろう輝きが、サコミズの胸もより強くあったのではないだろうか。



 最終回、サコミズは「メテオールは元来、ウルトラマンの心に応えるためのもの!」とはっきりと言う。GUYSという組織も、メテオールという技術も、すべてが今まで人類のために戦ってくれたウルトラマンへの、人の思いの結晶として作り上げられたものだった。
 ファイナルメテオール、それはウルトラマンの必殺技である光線を、更に増幅させる巨大なレンズのような機械。このメテオールが使われるシチュエーションとは、即ちウルトラマンが絶体絶命の危機に陥っている時だろう。それでも、きっと、彼等は戦ってくれているのだと!そう信じているからこそ作れるものであり、そこに見えてくるのはウルトラマンの愛に対する絶対的な信頼。人間は誇りを持ってウルトラマンの愛を受け止め、それを増幅して返すことで彼等を助けるのである。



 ミライをエンペラ星人に引き渡すか否か。サコミズはテレビを通して人々に問いかける。
 そして人類は、その総意としてウルトラマンを信じることを決意した。

 ほんの少しだけでも、人類はウルトラマンに近づけたのだろうか。






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大怪獣バトルもなかなか面白いんだよね!

 
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