2008年08月20日

仮面ライダー龍騎・11 神崎士郎

 己の願いと人の命を天秤にかけ戦う「仮面ライダー龍騎」。
 その裏側には、様々な願いや願望を持つ人間にデッキを渡し、戦いを煽ってきた男、神崎士郎がいた。

 本来なら愛と安心を与えてくれるはずの親に虐待され、(恐らく)屋敷の部屋に軟禁された状態だった兄妹。その狭く閉じた世界の中でお互いだけが支えであり、それが世界の全てだったのだろう。神崎にとっては他者というのは道具に過ぎず、優衣、彼女だけが人として生きるべき存在だった。
 「僕を一人にしないで」と、優衣が死んでしまったあの日から、神崎は心の中で叫び続けていたのだろう。
 結局、「龍騎」におけるライダー達の戦いもモンスターの悲劇も、悲しいエゴが作りあげたものだったのだ。

 神崎の最終目的「妹に命を与える」が果たされるまで、繰り返されるライダーの戦い。
 似たような状況、同じ様なシチュエーションはあれど、その結末は一つ一つ違っていたのだろう。それは映画とSPが物語っている。戦いを煽られ、ライダー達はその中で足掻く。戦いは何度繰り返されたのか不明だが、分かっているのは「最後のループ」と呼べるのはTV版の最終回であると言うことだ。
 この繰り返される戦いと、前の戦いの記憶は全くなくなってしまうのだが消え去ってしまうわけでもない、という不思議な蓄積の仕方をするところが、輪廻転生を思わせる。何度も何度も繰り返すことで、エネルギーが一つの頂点に達したのだろうか。最後のループに生き残った4人のライダー達は、それぞれが目指した最高のスピリットに到達して、その戦いを終えている。

 そして、神崎は優衣の死を受け入れることで、初めて彼は孤独から解放される。「みんながしあわせになりますように」という優衣の祈りを、自分のものとするのだ。
 そこに至る多くの葛藤と繰り返された時間があったからこそ、彼の深い悲しみが癒えたのではないだろうか。



 龍騎というのは基本的には殺し合いの、非常に殺伐とした物語であり、どちらかというとヒューマニティからはほど遠く見える。
 しかし、ヒーロー番組としてはとんでもないこのテーマに、番組のスタッフはそれこそ必死で立ち向かったのだろう。最終的に登場人物達は、自分たちのこころを取り戻し、しかし死んでいくのだ。




仮面ライダー龍騎 スペシャル 13RIDERS / 特撮


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全員がやる気満々のループもあったんだろうか。
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