2008年08月06日

仮面ライダー龍騎・9 王蛇(後)

 映画版「仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL」は、製作された時点で考えられていた最終回を描いたと、ムック本のスタッフ談話で語られている。そして映画公開から半年間。キャラの立ち位置も随分変わったが、一番変化したのは王蛇かもしれない。
 半年間という年月が、紡がれたドラマが、否応なく孤独な野獣だった浅倉を、人と人の間に放り込んだ。その結果、思わぬ方向にキャラが走り出したのである。

 序盤は北岡を恨みつつ、真司の善意と対決し、迷う蓮を取り込もうとした浅倉。それが終盤に近付くにつれ、基本的に善意の立場である真司や蓮ではなく、何故か北岡に執着するようになるのだ。物語の悪役としての立ち位置なら、むしろ主人公である龍騎に絡むはずが、何故かゾルダにシフトする。

 私は「龍騎」の物語で唯一、この「北岡に執着する浅倉」の図式は、終盤になってやや唐突かとも思う。しかしむしろ、"浅倉本人"も意外だったのだろう。神崎によって朽ちた教会に集められ、タイムリミットの宣告がされたにも関わらず、いるはずの北岡がいないのに気付いたとき。法律事務所に乗り込んで、からっぽの机を見たとき。浅倉は、激しく苛立ちを感じる。
 それまでは何のこだわりもなく、目に見えるもの全てをぶちこわすことに快感を感じていた浅倉。彼にしてみればライダーなんて十把一絡げに戦う相手程度の認識だったかもしれない。
 ただその中にあって北岡は「名指しでぶちのめしたい」相手、つまり「この手で屈服させたい"個人"」だった(タイガも一時期、ロックオンされたこともあったが、あっという間に雑魚に格下げされた)。ぶちのめしたいと思いつつ互角に戦うゾルダに、執着を覚えたのではないかと思う。
 北岡にとって浅倉は、その危険性を強く感じる相手だったに違いない。戦いに勝つ為に必要だと北岡の頭脳が割り出した計算結果をすべて、浅倉は天然に持っている。
 法曹界の北岡と犯罪者の浅倉。図らずも全てが対照的な二人だった。だからこそ物語の流れとして、自然と2人が引かれ合ったのかも知れない。



 物語最終回、浅倉ははじめて「何故だ!」と問いかける。
 それまで破壊と殺戮に何の理由も持たなかった男に、最終的に突きつけられた現実。
 「何故だ!」…そこで見えてしまったのは自分の心とは何だったのか。

 機械を纏ったゾルダは人の心を取り戻して戦いをやめ、人として朝の光の中で眠る。
 そして野獣として戦い続けた王蛇は、その果てにおぼろげながら疑問を抱き、人として銃弾に倒れる…



 人として戦いの中で葛藤し続けた龍騎とナイトは、ミラーワールドの戦士としてではない、【私達がずっと愛し応援してきたヒーロー・「仮面ライダー」としての望み】を勝ち取って最期を遂げた。
 ゾルダと王蛇は全く逆のスタンスから、ヒューマニティーに立ち返って【人として】死に至る。
 そして彼等は皆、その死に顔は穏やかなのだ。






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やはり平成ライダーを代表するダークヒーローだよね王蛇。
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