2008年07月16日

仮面ライダー龍騎・5 ナイト

 対を為すナイトは、物語の最初から明確に自分の目的がある。
 例え自分の手を汚してでも助けたい人がいる。その結果自分がどうなろうと構わない。選ぶべき道がそれしかないのなら戦う。戦ってみせる。

 しかしその動機は、秋山蓮の優しさでもある。傍目にはぶっきらぼうで何を考えているのか分からない彼だが、人を見捨てられない深い他愛心を持っており、それが逆に彼を悩ませる。本当にこれでいいのか、俺は愛する者の為とはいえ、人を殺すことが出来るのだろうかと。
 その甘さを北岡に「青臭い」と吐き捨てられ、浅倉には利用され、手塚には見透かされて、何も出来ないままズルズルと戦い続ける蓮。
 しかもすぐ側で、五月蠅いヤツが「戦いをやめろ」とわめき立てる。蓮はそれが煩わしい。今更騒ぐな馬鹿が感染る。しかし同時に深い共感も持つのだ。アイツは確かに馬鹿だが、俺たちよりもマシな人間だ…



 優しさ故に葛藤し、自暴自棄となり、それでも人を守る為に戦い続けた蓮。
 孤独を友としていた蓮と彼を取り巻く人々…その人間関係は、表面的には淡々としていたが、静かに深い絆を作っていたはずだ。しかし戦いは否応なくその絆を断つ。
 彼の迷いや苦しみを見抜いた手塚は戦いに倒れた。相容れない存在と思っていた北岡とは不思議な共感を持つようになるも、彼の命は尽きつつある。妹のように可愛がっていた優衣は消滅。
 そして、常に自分の近くでわめき散らしていた五月蠅い馬鹿が…しかし共に命をかけてライダーバトルを駆け抜けた優しい男が、目の前で倒れてしまう。

 真司は蓮にとって「生きていて欲しい男」だった。
自分は生きる限り愛する人を見捨てることは出来ない、己のエゴで戦い続けている愚かな人間だ。しかし真司は違う。「愚直」と言う言葉が相応しい程、自分の良心に真っ直ぐに生きていける人間なのに。
 しかし「お前こそ生きろ!」という言葉も空しく、彼は目の前で逝ってしまった。

 蓮は生き残り、最後の戦いに向かうことになる。結局人は、自分でしかない。俺はいったい何の為に戦ってきたのか。迷いの果てに願いを見つけた城戸。願い(命)を諦め病室で微笑んでいた北岡。じゃあ俺の戦いは何だったのか?
 彼の答えはひとつだ。蓮は葛藤はしても迷いはなかった。最後まで戦い抜き、自分の意志を貫き通した。



 ナイトが受け継いだクラッシャーは、人の顔で言えば「口」の部分であり、黙して語らぬ強い意志の存在がそこに見えてくるのではないだろうか。
 「愛する人を守ろうとする揺るぎない意志」というのは、非常に基本的なヒューマニティーの顕現であると言える。蓮は、「みんなを守るヒーロー」としてはどちらかというと異端かもしれない。彼は恋人を見捨てるにも、人殺しをするにも優しすぎたのだ。その苦しみが分かるからこそ、私達は彼に惹かれ、彼の魂が安らぐのを祈らずにおれない。

 蓮は無骨な彼の愛を貫いて、ライダーとして戦い抜いた。戦いの中、常に胸に抱いていた指輪を彼女の指にはめ、息絶えているであろう彼の顔はまるで眠っているかのように安らかだ。
 その時私達は、蓮が深い葛藤から解放されたのを知る。





仮面ライダー龍騎のS.I.C.
 Vol.24仮面ライダーナイト&仮面ライダー王蛇


価格 9,800円 (税込10,290円) 送料別

ケータイ捜査官7を見ると、もれなく秋山蓮がついてきます♪
(手塚もいるよ!)
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