2008年06月25日

仮面ライダーアギト・4 仮面ライダーになってしまった男

 さて、ついにギルス・芦原涼です。

 そもそもギルスってなにさ?っていうのは最後まで本編では語られてはいない。しかしある程度推測することは出来る。言うなれば神の遺伝子を与えられたアギトの「亜種」「突然変異」「不確定要素」と言ったところだろうか。完全にアギトとしての力を覚醒させているわけではなく、その異形ぶりは獣のようであり、体を変化させることで己の肉体が蝕まれる。人でもなく、アギトでもない。ある日、不幸な事故がきっかけでギルスに覚醒してしまった涼は、己のアイデンティティと生きる道を求めて彷徨う。
 この辺のモチーフは、如何にも石ノ森章太郎キャラっぽい。人でもなく機械でもないサイボーグ009とか、不完全故に善と悪の間を揺れ動くキカイダーとか。このギルス涼には石ノ森キャラ特有の、異形故の哀しみがついて回る。



 それにしても涼は不幸だ…



 将来を渇望されていた才能豊かな水泳選手だったのに、その夢をたたれ、信頼された人には裏切られ、愛した人は去っていき、親には死なれ、体はボロボロ。何故ここまでと思うほど、彼は劇中で不幸を背負いまくる。ついには何度か死を経験する。
 それほどの試練の中で、涼は一度も自分の運命の不幸を人のせいにすることはない。彼は常に自分が立ち向かうべき運命を、自分に与えられたものとして最善を尽くそうとする。その姿勢はただ「立派だ」と言うには壮絶すぎるかもしれない。選ばれた進化種でもなければ、普通に一般にとけ込める人間でもない。そんな孤独の中でも彼は常に人として最善の心を保ち続けたのである。

 アギト翔一が記憶喪失になっても自然体でいたのに対し、涼は昨日まで自分が持っていた記憶とアイデンティティを、ギルス覚醒により強制的に切り離されたことで苦悩する。彼の体が急激に老化したり肌がボロボロになったりするのはその象徴かも知れない。しかし彼は、今ここにある自分を信じ、前進しようとする歩みを止めることはない。
 G3装着員である氷川が常に周りの人々のバックアップの中で戦っていたのに対し、涼は常に孤独だ。しかし彼は、例え愛する人に去られ自分の体が変身によって朽ちようとも、目の前で襲われている人を助けることに躊躇しない。アギトである翔一、G3である氷川とは、全く異質でありながら、胸の中にあるヒーロースピリッツに反する行動は決してしない。
 そして涼は、いつしか孤独ではなくなっていく。彼の生き方は人の心を動かす。そしてアギトの種を持つ人々の助けをもらい、神の使徒たる人物に見守られる。孤独と反目の中で戦い続けていた彼には、いつしか深い結びつきを持つ仲間が出来るのだ。




 案外私たちに、一番近いのは涼なのかもしれない。もちろん突然不気味な生物に変化することはないだろうが、ある日突然の思いもよらない変化は、私たちをいつ襲うとも知れないのだから。

 涼を見ていると思う。
 自分は今まで積み上げていたものが崩壊するほどの現実に晒されたとき、誰に責任転嫁することも自己憐憫にひたることもなく、己のハートの示す道を歩めるだろうかと…





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俺は不死身だ!
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