2008年05月28日

平成仮面ライダー・2

 平成ライダーと言われるシリーズは、2000年に放送が開始された「仮面ライダークウガ」から現在六作目になる。

 最初の【クウガ】で、ヒーローの生き様にリアリティを付加し、人の為に闘う姿に「今」を感じさせることで、ヒーローという存在をリアルな憧れに昇華させた。
 次の【アギト】では、神と人との自己存在を賭けた戦いを描き、人が目指すべき方向や正しくヒーローであると言うことはなんなのかを、三人のライダーの視点で見せた。
 三作目【龍騎】では、完全に人と人との戦いになる。その中でヒューマニズムは発露するのか、仮面ライダーの名に相応しいヒーローたりえるのかを問いかける。
 四作目【555】は、己に絶望した青年が、戦いの中で胸の奥に眠っていたヒューマニティーに気づく過程を通して、人であるとはなんなのかを描いた。
 五作目【ブレイド】は、ヒーローの立場でありながら個人の思いに振り回されてしまう登場人物たちが、それぞれ何処に帰結していくのか、何を得て何を失うのかという物語になった気がする。
 六作目【響鬼】では、古から受け継がれるヒーローの魂と邪の存在に触れた少年の、緩やかな成長物語が語られた。
 七作目【カブト】は最初から絶対的な力と精神力を持っていたヒーローが、途中己の心の闇の中で本来の姿を見失いつつも再起し、より一層の強さを発揮した。
 八作目【電王】では、主人公の揺るぎない強さを支点として、存在と記憶、そこから生まれる繋がりの大切さを、エンターテイメントにして楽しませてくれた。
 現在、九作目【キバ】。自分が存在している意味を知りたくない?と主題歌は問いかける。果たしてこの一年でどんなドラマを見せてくれるのか楽しみだ。



 かなり特撮作品としては大人向けというか…ある意味実験的な内容でもあるので…色々な粗もあるのだけれど、試しに見てみるとかなり面白さを感じるのではないかと思う。
 何故ならこれらの平成ライダーシリーズは、複雑な現代人の心の在り方が主軸になっており、【普通の人がヒーローに成長する物語】として仕上がっているからだ。途中に葛藤や苦しみが多いのはその為で、中にはかなり鬱展開になる作品もある(クウガに関しては主人公はヒーローそのものなのだが、側で共に闘う一条刑事が、その苦難を彼一人に背負わせることを常に悩んでいる)。


 人々の自由と平和を脅かす存在に、変身して立ち向かうライダー達。彼等は最初からヒーローではない。「平成仮面ライダーシリーズ」は、人の魂が持つ"最高度の善意"であるヒーロースピリッツを獲得するまでの物語と言っていいだろう。
 戦いは彼等にとって葛藤そのものであり、その果てに何があるのか見当も付かず、しかし己の内なる声に従って人々を守る為に闘うのだ。
 闘いの果てに待つものはなんなのだろうか。




S.I.C.スーパーコレクション(vol.2)


出版社: ホビージャパン
サイズ: ムックその他
ページ数: 144p
発行年月: 2006年12月
本体価格 1,905円 (税込 2,000 円) 送料別
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