2012年08月27日

仮面ライダーフォーゼ・総括1

 「仮面ライダーフォーゼ」が大団円を迎えた。この場を借りて、この作品に関わったスタッフさんとキャストの皆さんに心からお礼を申し上げたい。楽しい一年間をどうもありがとうございました。
 そして、途中まで感想を書き続けていながら、二号ライダー登場の直前に挫折してしまった事を本当に申し訳なく思っています。それでも毎週楽しく見ていました。なので、折角だから総括くらいは好き勝手に書き連ねられたらと思い、ブログを一時復活させました。勝手ですみません!(^^;;;




 書きたい事は色々ある。まず大きくぶっちゃけて言うと、「これはいいなー」と思う部分と「ここはどうなんだ?」と思う部分が、両方ある作品ではあるな…とは思うのだ。ただまあ、「どうなんだ?」の部分と言うのはほとんど私自身の勝手なこだわりと言う気もするので、「いいな」と「どうよ」を比べたら「いい」に軍配が上がるのは事実なんだよね。
 それを踏まえた上で、敢えてまず「どうよ」から書いてみたいと思う。


 ずばり一番私が「今一つ納得出来かねる」と思うのは、ラスボスとの戦いだ。て、一番重要じゃねーかよ!って言う人もいるだろうけどさ(笑)実際その通りで、最終回を見終わったあと「うーん」としばらく苦悩してしまったのよ。
 私はこの物語の中で、我望理事長という人物は非常に魅力的で素晴らしいキャラ設定だと思っている。彼が幼い頃に得てしまった光、思い描いてしまったビジョン、その為に犠牲を厭わない情熱。それと同時に優秀であるがゆえの孤独。彼が夢見ていたのは人類の進化であり、その役目に相応しいのは自分だけであると絶望したのだ。
 その我望を「憎しみ倒す」のではなく「友として止める」という発想は、この物語のラストとして本当に素晴らしい。戦いの前、我望が作った食堂のスープを完食する弦太郎のシーンは、しみじみとよかった。戦いに向かう時のカットが、OPを彷彿とさせるのも非常に良い演出!だしね。
 ただ個人的に、そのあとの戦いながらの舌戦と卒業式のところ。台詞としては本当に良いんだけど、果たして我望の孤独と絶望を心から救うだけの熱量があったのか?というと、残念ながら私は「否」と言わざるを得ないのだ。学園モノだから卒業式っていうのも面白いんだけど、どちらかっちゅーと状況的には謝恩会っちゅーか「先生を送る会」に近いしなー… ほら、卒業式って課程を修了する儀式を指導者が生徒にするものだってアタマが拭えなくてね。「卒業式」をするという行為そのものにも、送る言葉にも、美しいからこそライダー部の面々の若さや青さが感じられてしまって、そう言った青春のあらゆる出来事をとっくに経験して絶望してしまった我望の闇に訴える何かがもうちょい欲しかった!と。
 もしも我望があそこで心を入れ替えるのなら、その前に江本博士とのエピソードにもっと葛藤があっても良かったかも。あとは生徒に対してそれなりに愛情を持っていたとかさ。またこれはあまり皆さんから共感を得られないかもしれないけど、私はあのメンバーの中で我望の心を根底から動かす事が出来る人がいるとするなら、それは弦太郎ではなくて、唯一宇宙からの声を聴く事が出来たユウキじゃないかな…と思うのだ。宇宙からの声を聴き、しかし人として踏みとどまったユウキはもっと何か出来る事があったんじゃないかな。いやあ、考えれば考えるほど難しいなー 「青春」という言葉の真逆の男だからね。

 もうひとつ、細かい部分なんだけど気になる事。星の運命を掲げ、黄道十二宮を前面に出しているのに、スイッチの持ち主の性格や行動と、各ホロスコープスの戦いの特徴と、その十二星座の占星学的な性質がバラバラなのはちょいと気になった。いやねー、私、西洋占星学はかなり勉強した方でさあ。「グランセイザー」の時も結構気になっちゃったりしたんだけど(笑)
 ラスボスが射手座ってのはなんでだろう。どうしても射手座って明るくてかっとんだ星座なので、我望にはちょっと相応しくない気もするんだよね。孤高の男と言うなら山羊座、陰謀を張り巡らすのなら蠍座、進化と革新なら水瓶座がイメージに合うんだけど、まあ射手座とか最後まで戦ってた獅子座とか、強そうなイメージだもんな。

 あと、私がアタマ悪過ぎるのかもしれないけど(笑)、物語の発端である月基地のエピが上手く整理出来ない。スイッチの発見→我望と歌星の対立→賢吾の誕生→江本の歌星殺害と後悔→賢吾を親戚に預ける …の時間の流れがイマイチピンと来ないのよ。江本博士は歌星博士を直接殺したんじゃなくて、月に取り残したんだよね?あの破壊された基地を修復したのは誰?歌星博士が一人でやったのかな。じゃあ歌星博士はいつ死んで、賢吾はどのタイミングで助け出された?
 この辺は物語の本筋と直接関わる部分なんだけど、ちょっと分かりにくかったんだよね。京都でのエピも「ザ・ホール」が関わってどーのこーのがあったんだけど、石碑を壊した効果がもうちょっと分かりやすく伝わってくるとなおいいのになーって思った。この手のトンデモ科学は面白味でもあるので、説得力があるほど楽しいからね。




 …とまあ、ここまで書いてみて、でも「どうよ」要素はこんなもんかなあと思うのも事実(笑)
 むしろこの作品最大の鬼門は、弦太郎が連呼する「友達」という言葉に説得力を感じるか否かかもしれないな、なんて思う。だからこそ登場したばかりのJKや流星の弦太郎へのシニカルな視点があったワケでさ。でもそこで「あーあ、あいつら丸め込まれちゃった」と思ってしまうと、この物語には付いていけなくなってしまうかもしれない。
 その辺も含め、総括はまだつづくよ!(8月中に書き上げるのが目標です(^^;;;)







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